物語の箱(テイルズ)
□覚えてる
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八歳の時にそれを知った。
死ぬってことは、死ぬっていうのは。
その人のスープがもう飲めなくなるってこと。
その人の全てがなくなるってこと。
ルドガーは私の頬に触れた。
そして、静かに消えていく。
その感覚を、まだ覚えている。
忘れられない。
忘れたくない。
ルドガーが救った世界を、私はこれからも守っていく。
そして、新しく創り続けていく。
ルドガーと過ごした日々が、今の私を作ってくれた。
そのことを、ずっと覚えてる。
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