物語の箱(テイルズ)

□覚えてる
1ページ/1ページ

八歳の時にそれを知った。
死ぬってことは、死ぬっていうのは。
その人のスープがもう飲めなくなるってこと。

その人の全てがなくなるってこと。

ルドガーは私の頬に触れた。
そして、静かに消えていく。
その感覚を、まだ覚えている。
忘れられない。
忘れたくない。

ルドガーが救った世界を、私はこれからも守っていく。
そして、新しく創り続けていく。

ルドガーと過ごした日々が、今の私を作ってくれた。

そのことを、ずっと覚えてる。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ