物語の箱(テイルズ)

□許された痛み
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イオン様は、私を許してくれた。
こんな馬鹿な間違いをした私を。
私は、最初から嘘を見抜かれていた。
それなのに、イオン様は何も言わなかった。
「イオン様を殺しちゃった...」
イオン様を守るはずの私が。
イオン様でなく、自分を守るために。
馬鹿だよ、なんで...。
「騙して!騙されて!私もイオン様も大馬鹿だよ!」
最初から間違えていたのに、どうして許しちゃったの?
許されることが一番辛いの。
何の罰も受けないことが、辛いの。
この先も、ずっと辛いまま。

まだまだ幼かった私には
許された意味を知ることができなかった。

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