ぬらりひょんの孫

□B総会に行きたい!
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「にぃに、これ美味ひいね!」

と、頬を夕食の肉じゃがでリスのように膨らませながら、リクオが満面の笑顔を向けてきた。

「そうかそうかー!やっぱり母さんの料理は最高だなぁ!」

オレはいつものように弟の頭をぐりぐりとなで回したが、このとき、オレの心中は穏やかではなかった。

普通なら俺たちは今頃大広間で食事をとっているのだが、今晩だけは違った。広間とは別に部屋を用意され、今日は二人だけで食事をしている。
なぜなら、総会があるからだ。
今、大広間には各地の大物妖怪たちがわんさかとやって来ており、夕食を食べつつ論議を交わしていることだろう。
だが、それは全ていつものこと。総会は定期的に行われるものなのだから、毎回冷や汗を流していたんじゃキリがない。オレの心中が穏やかではない原因は、他にあった。

どうも、元の世界から転生トリップしてぬら家の子になっちゃった奴良アキラでーす!
オレは今夜、一大決心をしました!
えー、あの、おそれ多いい総会を覗きに行っちゃいたいと思いまっす!!
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!
言っちゃった!

さっきまで途切れることなくなっていた朧車の車輪の音もすでに止んでいることだし、そろそろ総会が始まっている頃だ。論議が熱を持つだろう今が勝機!オレは生唾を飲み込み、行動を起こした。

「リクオ、兄ちゃん今から出陣するから」

「しゅつ、ちん?」

「そうだ。危険な敵地だ」

「僕も行くー!」

「だめだ。大事な弟に何かあれば、兄ちゃん悲しくて泣いちゃうぞ。お前はここにいろ。大丈夫。一人にならないよう、納豆あたりをこの部屋に呼ぶからな」

「………………うん!わかった!」

「そうだ!良い子だ!」

そして、オレは総会いう名の敵地へ向けて、静かに部屋を後にしたんだ。

「兄ちゃん頑張ってー!」

頑張るよリクオォォォ!
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