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□好きなアイドル
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「チョコレーツ♪チョコレーツ♪」
本日は昼の番組に大好きなチョコレーツが出演するため英二は上機嫌でテレビを見ていた。
一方、その横で面白くなさそうに寝ているのは彼の後輩で恋人の越前リョーマである。
それもそのはず、久々のお家デートなのに英二はリョーマに全く関心を向けずにテレビに釘付けなのだ。
初めは特に気にしていなかったのだが自分の可愛い恋人が他の女の名前ばかり呼ぶのを聞いていたら流石にあまりいい気はしない。

(英二先輩にちょっとイタズラしてやろう。)
リョーマは作戦を決行した。
まずは手始めに抱きついてみた。
しかし英二はそんなこと気にもせずにチョコレーツに夢中だ。
リョーマはムッとして身体を密着させて耳に息を吹きかけた。
「ひゃっ!おチビ何するにゃー!」
「別に何も?そのまま見ていてくださいよ」
もう英二はチョコレーツどころではない。
リョーマが英二を抱え込むようにして座っているので近すぎる恋人に英二は動揺を気づかれないようにするのが精一杯だ。
リョーマはそんな英二を満足そうに見ている。
結局番組中英二は全く集中できなかった。
「英二先輩。また一緒にテレビ見ましょーね。」
「やだ!おチビの意地悪!」
「俺何かしました?」
何も言えなくなったのでしらばっくれるリョーマを恨めしげに見つめ、英二は二度とリョーマと一緒にチョコレーツを見ないことを心にきめた。
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