平和の望み
□第二譜
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『えっ、検診?』
「そうだよ。明日研案塔全体で検診があるんだ。お前も行かないと燭先生に怒られるぞ」
いつも仕事を押しつけてくる奴に言われ、俺はぎくっとした。
糺さんのくれる栄養剤のおかげで倒れる事はなくなったが、それで痩せた身体が元に戻るわけでもない。
まずい・・・・・・
『燭先生にダイエット中って言ったら怒るかな?』
「お前ダイエットしてんの?」
『まあ』
「過度なダイエットだったら怒るだろうな」
『そうですよね〜・・・・・・』
憂鬱だ・・・・・・。
「あれ、稜どうしたの?」
丁度そこに糺さんが通りかかる。
『あ、糺さん。実は明日の検診についてなんですけど・・・・・・』
「明日の検診?。ああ、あれね。稜、検診嫌いでしょう?。実はあれ稜みたいな検診嫌いの研究員のための物らしいよ」
『えっ。って事はどう足掻いても避けられないじゃないですかっ』
「うん、そうだね。どうして嫌なのか知らないけど」
やばい、どうすればいい・・・・・・?
「あ、でも稜は実験があるでしょ?。それを理由に断ることもできるんじゃない?」
そっ、その手があったか!
一瞬射した光明。
だが。
「その間別の者に管理を任せれば良いだろう。検診を受けないという選択肢はない」
申告しに行ってそのまま撃沈。
『あ、糺さ〜ん・・・・・・』
涙目になりながら助けを求めたが、それ以上の策はないらしく。
頑張れ、の一言をいただきました。