戦国BASARA@
□四夜目
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「卿は何者かね?」
一人の少年が問う。
梵天丸事件のトリップを終え平成に戻ってきてから戦国時代を調べたら彼は後の伊達政宗だというのがわかった。
それから色々調べているうちに戦国BASARAというゲームを見つけた。
何故か興味を引かれ購入。
時間を見つけてはplayしてみたがどーやら過去の戦国時代と思っていたトリップ先はゲームのBASARAの世界だったらしい。
確信を持ったのはゲームキャラの小十郎や政宗がいたからだ。
もちろんトリップして見た記憶のほうの彼等の方が数段若いが。
あれから3ヶ月ぶりのトリップ。
やはりこの世界は戦国BASARAで間違いないらしい。
なんといっても早速キャラに会えたからね。
「こたえたまえ」
顔を見ているわりに一向に質問に応えない俺に苛ついたのか眉を潜めながら俺の肩の上で足をグリグリと動かす。
「聴こえないのかね?はたまた口が聞けないのか」
そう、コイツが根拠の1つ。
現在俺を踏みつけているこいつだ。
俺よりも一回りくらい若く見えるが松永久秀に違い無いだろう。
倒れてた人間を踏みつる辺りが彼らしい気がする。
『………痛ェ』
とりあえず肩に乗っている足を掴んで上半身を起こす。
「なっ…!」
急に動きだした俺に驚いたのか。
まぁ、俺が足を掴んでいる為、バランスを崩した。
『倒れてる人間を踏むのはよくないぞ』
とりあえず座った状態で松永少年を膝に抱えて注意してみる。
「フッ、苛烈苛烈w卿は中々に面白い私をこの様に扱うものなどいなかったぞ」
……そりゃそうだろう。
こんな変わったガキ、扱いづらくてしゃーないだろうし。
今回は何が目的でトリップさせられたんだろうか?
ま、とりあえず。
『なー少年』
「何かね?」
『行くとこねぇから少年の家に暫く泊めてくれね?』
「フッ、卿は見た目に反してなかなかに図太い。良いだろう」
松永少年に許可をもらった。
案外悪い奴ではないかもしれない。
まだゲームの悪人事件はまだ先の話だから今のうちになんとかすれば性格改善にまだ間に合うかもしれない。
神の狙いとは違うかも知れないが
まぁ、いいや。
こんな風に思うのも想定内だろう。
『俺は名無し、よろしくな少年』
「卿とよろしくするつもりはないがね?」
──────本当に生意気な子どもだ。
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「──で、卿は何処からきた?」
今、俺は松永さんの屋敷に通して貰っている。
まぁ話をしようとお茶の間に通されたんだけど…。
お茶所かお茶菓子まで出してくれてるが念のため戴かないこととしよう。
『あー…未来?』
「冗談はいい。で?」
冗談じゃ無いんだけどな…。
『じゃあ、黙秘で』
「ではここに来た目的は?」
『目的って…少年に会いに?』
「私に?何のようだ?」
『何だろう』
それから色々聞かれたがどれも曖昧に答え松永少年の満足行くものは一つも無かっただろう。
「卿は己の事を話すつもりは無いようだな」
『そんなことは無いだろ?名乗ったし』
「苛烈wそれすら本名か怪しいものだ」
案外腹の探りあいをしているようで楽しい会話となった。
少年も楽しんでいるようでよかった。
「─で、卿は私のたてたお茶は飲まぬのか?」
『あー…いや何も入ってないなら戴くよ』
「心配する必要はない」
『…じゃあ、まぁ。いただきます』
少年が同じように自分の分も作り飲み始めたので冷えるのも勿体ないので戴くことにした。
菓子を食べお茶を飲む。
「…卿は疑り深いのか単純なのか解りかねるね」
その言葉を最後に俺の意識は途切れる。
やっぱりなんか仕込んでたか。