戦国BASARA@
□四夜目
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───で、仕込まれていた薬はどうやら睡眠薬だったようです。
めが覚めたら既に辺りは暗く、身体をみたら着替えさせられ布団に寝かされていた。
『あー…油断したわ』
「起きたかね?」
声がしたほうを見れば松永少年が立っていた。
『…おぅ。趣味わるいねー少年。人に薬盛るなんざ?』
「卿が何も語ろうとしないのでね。持ち物を調べさせてもらっただけだよ」
『…ま、調べた所で何もわから無かったろ?』
「たしかに卿の言うとおり身元はわからなかったが卿の着ていた服もまたこの国にはない珍しい物なのでなまだ返すわけにはいかない」
そりゃ平成の服だからな。
まぁ、BASARAの世界なら平成の服を調べられても多分、大丈夫だろう
『…着替えは貸してくれるだろ?』
「勿論だよ」
口許にてをやりクスリと笑われる。
「…それよりも…興味を惹かれることがあってね」
『?』
「その顔に似つかわしくない鍛えあげられた肉体…卿はただ者ではないね?」
いや、ただ者ですけど。
そーいえばこちらに来て自分の身体をよく見たことがなかったな。
それどころか顔すらちゃんと見たことがない。女じゃ無ぇから鏡もそうみないし。あまり気にしてなかった。
やっぱりゲームに合わせてデフォルメされてるのか?
確かに向こうで鍛えていたとはいえ現役の武将をみて来たであろう松永少年にただ者ではないと疑われる程のものなのだろうか?
自分の手を見てみる。
確かに多少の変化はみられるが殆ど彼方と変わらない。
ということは筋肉のつきかたなんかもそれほど彼方と変わらないだろう。
なので、正直にその事を伝えようとする。
『俺はただの人だよ』
「…やはり卿は己の事を話すつもりは無いようだな』
目を細めて笑われる。
『嘘じゃないよ?』
そういって笑いを返してやる。
「なれば、身体に聞いてみよう」
スルリと布団に入り込まれた。
『…一緒に寝たいのか?』
「夜の意味でな?」
上に乗られ顎をあげられた。
『子どもが…wそんなこというもんじゃありません!』
グイッと腕を引っ張り立場を入れ替えてやる。
『で?俺に力で勝てると思ったのか?』
今はまるで押したおしたような状態だ。
抵抗出来ないように足に乗り、両手首を掴んで顔をのぞきこむ。
「…ハッw苛烈苛烈名無しになら押し倒されるのも悪くはない」
少年の瞳が艶めかしく光った気がした。
いや、俺にそっちの気はないから。
『…子どもはもう寝な』
そういって上から退いて隣に倒れ込み布団をかけ直してやる。
「子ども扱いするのは卿くらいのものだ」
少し呆れたような顔をするが嫌がりはしなかった。
それから暫く目を閉じ、少しずつ意識が闇に溶けていった。
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名無しが夢の中へと落ちた頃。
松永久秀は名無しの髪に触れながら囁く。
「私をこんな風に扱うのは卿くらいのものよ…」
許すのも卿だけだ。
そういって髪にキスをおとしたあと。
松永も眠るために目を閉じた。
→あとがき