08/10の日記
23:12
白夜2
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※前の日記の続きです。
ネタバレあるのでコミックス派の方は読まないでください。
さて、エルヴィンの犠牲(とあえて言わせてもらいます)の上に復活を果たしたアルミンですが。
アルミンはいざとなったら人間性を捨てられるーーエルヴィンのような非情さの片鱗を持っています。
初めて人を撃ち、殺し、何度も吐いていたのがアルミンなら、あの状況でとっさとはいえ自分の意思でもって引き金を引いたのもアルミンです。
でも私自身がそうであるように、心はまた別の問題ですよね。
エルヴィンだって、行動にはできても、心が何も感じてないわけじゃなかった。
だからアルミンは苦しむんじゃないかなと思います。
エルヴィン団長ではなく自分が選ばれたという重み。
敵とはいえ旧友だったベルトルトを、自分が助かるために喰い殺してしまった事実。
たとえ周りから口にされなくても、エルヴィンの代わりとして兵団をハンジ新団長とともに支えなければならない立場。
…死んだ方がマシだったかもと思ってしまいますね。私なら。
理屈ではわかっても、ヒトを喰うなんて絶対嫌だし(しかも自分の意思とは無関係にされたことで覚悟もクソもない)。
アルミンが悪いわけじゃないんだから、てゆーか誰も悪くないんだから、あんまり思い詰めないでくれるといいんですが。
…いや、内心ちょっと思い詰めてほしい。
エルヴィンを亡くしたことで心を痛める人は壁内にだって絶対いるはずです。架空の漫画の人物相手に、こうして胸を痛める人間がここにいるんですから!
だからね、責める気はまったくないし、私だって身近な、しかも若い子の方を助けてよって思うに決まってるんですから、エレンとミカサが間違ってるなんて少しも思わない。
でも、知ってほしい。
アルミンを失いかけた時に自分たちが感じた痛みや恐怖を、エルヴィンを亡くしたことで感じる人がいるってこと。
ハンジはたぶんそういうことを言ったんだと思うんですよ。
だから、ミカサがハンジの手首を怒りに任せて痛めつけたのはダメです。いけないことです(責めないって言ったけどこれは別!)。
しかもこれから団長になるってのに今後の任務に支障が出ちゃうでしょうが!
いくら若いからって何やってもいいってわけじゃないからな!
あとエレンが、リヴァイが注射出すのをためらったのは私情でしょって責めてましたけど。
私は、うん、あれは私情も入っていたと思います。
てゆーか葛藤してたんだと思います。
地下から空の下へ導いてくれたのはエルヴィンだし、長い付き合いだし、エルヴィンの良いところも悪いところも知っている。
できるなら助けたいって思ったって何も不思議なことはありません。
でも、エレンとアルミンの夢の話を聞いてたのもあるし、リヴァイも自分たちより若いのが死ぬのは本音は嫌なタイプだろうし、スピンオフ扱いだけど自分も兄弟のように大事だった仲間を失った経験があるから同じ思いはしてほしくないだろうし……
そういう考えが瞬時に去来して、動きが鈍くなったんだと思います。
いくら強くたって、無表情たって、リヴァイも人間です。
感情があって当たり前。
だからこそエレンは、リヴァイの「私情」に感謝しなければいけません。
リヴァイがアルミンを助けてくれた裏に何があるのか、わからなくても考えなければいけません。
エルヴィンはもちろん、モブリットやマルロたち、他の調査兵団員たちがどんな思いで戦い、死んでいったか。
リヴァイやハンジのように、大事な人を失った人たちが、アルミンが死んだと思って感じたたくさんの気持ちを同じように抱いていることを、しっかり考えなければいけません。
そして、もしかしたら生き残ったことに苦しむかもしれないアルミンを支えてあげなければいけません。
エレンもかつて父親を喰ったことや、ジークの言葉やら何やら頭いっぱいいっぱいでしょうが、重いからと投げ出さずしっかり背負って行かないと許しませんよ。
厳しいようですが、生き残った者の責任ってやつだと思います。
なんたって主人公なんだから。
いーっぱい悩んで成長してもらわんと困るんです。
今回のアルミンを助けるためというのも含めて、自分のためにどれだけの人間が命を賭してくれたか、道を踏み分けてくれたか、自覚しないといけません。
感謝するって、受け継いでいくって、そういうことだと私は思うんです。
見失っちゃいけません。
君たち若い者は、夢を叶えることなく道半ばで後世に託していった者たちの分まで、夢を叶えなきゃいけません。
幸せにならなきゃいけません。
84話のサブタイトル「白夜」。
太陽は沈まない。そう信じて。
バトンタッチだ。
さて、エルヴィン。
ほんとによく頑張ったね。
おやすみ。
もうゆっくり休んでいいんだよ。
…もう、誰もあなたを苛ませることはないんだから。
現状に余裕ができたら、必ず「籠レク」完成させるからね。
私なりの救済を、あなたに。
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22:29
白夜
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※「進撃の巨人」をコミックスで読まれている方は、この先を読まないでください。
ネタバレしています。
最新の84話。読みました。
衝撃でしたね。
モブリットの死。
エルヴィンの死。
そして巨人化したアルミンがかつての旧友を喰らう…。
私は進撃でエルヴィン団長が一番好きなので、もちろん大ショックですが、アルミンを犠牲にして復活させるくらいなら、そのまま安らかに眠ってほしいと思っていました。
確かに能力や経験、人望に優れ、あの壁内人類の「悪夢の日」から今まで調査兵団を鍛え築き上げてきたのはエルヴィンです。
でもアルミンは、エルヴィンに成り代われる、あるいは越えられるかもしれない。
完成されたエルヴィンには無い、「可能性」という名の武器がアルミンにはあります。
そして何より若い。まだ十代。
それこそ「可能性の獣」です。
老兵は去り、若者が、後継者たちが新たな時代を築いていく。
私はそれが正しい世界の在り方だと思っているので、結果だけを語るならこの展開で本当によかった。
そりゃ死ぬのは実際怖いだろうけど、私も今時の若者に漏れず長生きしたくないタイプだし、自分より(たとえ一歳でも)若い子が、よりにもよって自分の犠牲になるなんて絶対嫌です。
実際できるかは別として、気持ちとしては自分より若い子のためなら喜んで死んでやろう、くらいの考え方してます。
だから、よかった。
でもやっぱり感情ーーリヴァイやエレンたちの言葉を借りるなら私情ですかーーは別の話ですよね。
エルヴィンには死んでほしくなかったですよ、やっぱりね。
夢を叶えて地下室で真実を見てほしかった。それが無理でも、せめて戦いから離れて余生を過ごしてほしかった。
自分が殺してきたと思っている部下たちの屍の上に鎮座して、罪の意識と夢への執着に支配され、現実も心の内も地獄のような世界の中を生きてきたのに。
生き残った部下に「もっと苦しむべき」「悪魔」と思われても、結果的に人類の希望のための指揮官で在り続け、自由も真実も勝ち得ることなく死んでしまいました。
…あんまりじゃないかと思うんです。
でも、安らかなように見えた死に顔や、まだ父親がいて純粋に手を挙げていた子供の頃の夢を見ていた姿を見ると、膝枕して頭撫でてあげながら「お疲れ様」って言ってあげたくなりました。
もういいよって。
頑張らなくたっていいよって。
もう誰もエルヴィンを苦しめたりしないからねって、言ってやりたいです。
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