よわむしなぼくと。

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『おひるっーおひるっー』

ああこの時間だけは大好き!
ん?デブだなんて言わせない


『坂道ーお弁当たべよー!』

そう言いながら中庭を走る。


「んお!名無しさんやないかい!」

『鳴子くん!また鳴子くんなの!坂道は私と食べるのー!』


「ま、まあ名無しさん3人で仲良く食べようよ!ね?」


んー、しょうがない
今日だけは我慢してやろう
今日だけだからな!

『って、坂道お弁当は?』

「そ、それがパンを買い損ねまして、、、」


あー、あの購買部はね
うん。戦場だもん
坂道にははやすぎるよ!

『じゃあ私のお弁当半分こしよう?』


んふふー、今日の卵焼きには自信があるもんね!

「名無しさんの手作りなんか?」

そう尋ねる鳴子くん

え?意外かな?
これでも料理は上手いんだぞ!

『そーだよ!はーい、じゃあ坂道に半分あげるよ』


そう私がお弁当を差し出そうとした時である。


「しゃーない!小野田くんにはこれあげるわ」


おぉっ!鳴子くんにこんな優しさがあったなんて!


「だから名無しさんの弁当はワイが食べたる」

『はっ?!鳴子くんそんだけパンあるのに私のお弁当まで奪う気なの?この非道め!』


「おぉっ!この卵焼きめっちゃ美味いな!」

『でしょでしょ!私の卵焼き舐めんなよ!』



そう、その卵焼きには名無し家の100年もを超える歴史の味が


って
『あぁぁぁあっ!ぜ、ぜんぶ食べたーーー!』



そう、私のお弁当は一瞬でなくなったのである。


本当に最近ついていない。

そうだ!神への祈りが足りなかったのかもしれない。


今からでも遅くないかな




(どうか神様私に強運をお返しください)
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