よわむしなぼくと。

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ザワザワ

ザワザワ

渋谷だの池袋だのそんなリア充めいた会話の中私は走っていた。


『見つけたーーーー!坂道ー!今日も行くよねー?』

「名無しさんっ!もちろんだよ、名無しさんもはやく後ろに乗って」


そう、何も変わらない。
週一で坂道と一緒にアキバに行く。


『はいよーー!』

そんな脳天気な返事をしながら乗り馴れた荷台に乗った。


そんな時

ファイオー!!!!!

『ギャーッ!もうびっくりする!何で大声出しながら走るのよ!獣なの?何なの?』

「確かにそうだけど名無しさんも女の子なんだからもう少し可愛らしい言葉を使おうね」


あぁ、今日も坂道は尖った優しさを与えてくれる。

なんて、思いながらまたいつものように坂道のお世辞でもうまいとは言えないラブヒメの歌を聞きながら進んで行く。


その時だった。後ろからものすごい衝撃音と共に投げ出される身体。スローモーションの中見えたのはむすっとしたイケメンだった。
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