Bon appetit

□3話 ポーカーフェイス
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「あれー?どうしたの?」


俺が剛の異変に気付いたのはロケバスに乗り込んですぐの事だった。



今日は剛と2人で番組収録。


早朝にほぼマネージャーに叩き起こされる形で部屋を入った俺は未だ寝ぼけ眼。


目も心なしか霞んでるというのに剛の異変にはすぐ気づいた。



いや、これは誰でも気付く。


「健…こっち見んな…」
と、剛は不機嫌そうだった。



剛の口元が切れている。



明らかに誰かにビンタの一発でも食らった感じだ。



ははぁ…あのモデルの子にやられちゃった感じ?



剛の彼女のモデルさん、気性荒らそうだもんなぁ…



「まーた女の子にやられたの?」


なんて軽口を叩くと、剛は深い深いため息をついた。



そして…


「仕方なかったんだよ…雷落ちちまったんだから…」
と、ため息交じりそう言ったんだ。



雷?


昨日の夜は晴れてたはずなんだけど…






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