Bon appetit

□3話 ポーカーフェイス
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「やべー…超気持ちいい…」


うっかり声が漏れてしまう。


目の上に乗せられた温かいタオル。



なんかいい匂いもする。



昨日一睡も出来なかった俺の疲れを癒してくれるようだった。



「お疲れですか?これ、目の上に乗せて少し休んでてください」
と、名無しさんちゃんに手渡された温かいタオル。



あぁ…優しい子なんだなぁ…



ヤバイ…これはドツボにはまっちまうパターンだ…



確かに自分でもひでー顔だなって思った。



でもさ…初めて君を目にした時に落ちた雷のような衝撃。



これをもう一度確かめたかった。



あの衝撃はやっぱり恋心だったんだ。



今日、名無しさんちゃんに再び会って実感した。



「あー!マジやべー!」



つい気持ちが口から出てしまった。



あ…やべぇ…


俺はタオルをどかしてチラリとカウンターの隣に目をやった。



すると…



「相当疲れとるんやなぁ…大丈夫?」
と、岡田は心配そうに俺に声を掛けた。



「だ…大丈夫…」


体は大丈夫だ。



わりとタフに出来てる。



問題は心の方だ。



名無しさんちゃんに出会ってからずっと揺れっぱなしで休まらないんだよ。



今だって…



「あ!ダメですよ!大人しくタオル目に当ててないと!」


そう言う君に俺の心臓は高鳴るばかりだ…




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