Bon appetit

□3話 ポーカーフェイス
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「いらっしゃいませー。あ!こんばんは!」


今日はお客さんの入りが遅いようで、開店して1時間程した頃、初めてのお客さんがやって来た。



やって来たのは岡田さんと森田さんだった。




「はじめまして。岡田です。開店おめでとうございます」
手渡されたフラワーバスケットから優しい花の香りが漂った。



「わぁ…かわいい…ありがとうございます。井ノ原快彦の妹の井ノ原名無しさんと申します。いつも兄がお世話になってます。あと、わざわざいらして頂いてありがとうございます」



それにしても…岡田さんってこんな男っぽかったっけ?



もっとかわいらしかったイメージがあった。



7年振りに目にした岡田さんは、私が知ってる岡田さんとは別人の様に逞しく、そして男らしい印象を受けた。



「森田さん、またいらして頂いてありがとうございます!!」

視線を森田さんに移し、挨拶を交わすと…



凄いクマ…



「あの…凄いクマ…大丈夫ですか?」
と、つい口から出てしまった。




すると…


「だ…だ…大丈夫!」
と、何故か声を裏返して顔を隠す様に手で覆った。



いや…大丈夫じゃないでしょ…



とりあえず私はお二人を席に案内して、キッチンに向かった。




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