Bon appetit

□3話 ポーカーフェイス
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花屋で作ってもらったフラワーアレンジの入ったカゴを手に俺は井ノ原くんの妹さんの店に向かっていた。



確かこの辺だよな…


キョロキョロと辺りを見渡していると…



「あれ?」


前方に明らかに辺りをキョロキョロ、そしてコソコソとしている見慣れた人がいた。



「何しとんのや…ありえんくらい怪しいわ…」


俺は驚かせてやろうとそーっとその見慣れた人の元へと向かった。




そして…


「剛くん…何しとんの?」



そっと後ろから声を掛けると…



「おわぁ!!!!」


剛くんはあり得ない驚き方をしたと思えば…



「ちょ…ちょっと?剛くん?」


へなへなと力が抜けたように道路に座り込んだ。



「お…岡田…お前…なんでここに…」
と、剛くんは俺を見上げた。



いや…それはこっちのセリフや…と、言いかけたもののとりあえず俺は剛くんに手を差し出し…



「井ノ原くんの妹さんの開店祝いに…ほら花も持っとるやろ?」



すると剛くんは何故か目を輝かせて俺の手を握り…



「奇遇だなあ…俺も行く所だったんだよー!」
と、立ち上がったと思えば、俺の肩を掴み…



「よし!岡田!行くぞ!」
と、何故か俺らは肩を組みながら店に向かった。




なんや…これ…



まぁ…ええけど…



つーか…なんなん…その疲れ切った顔…


あと口元切れてるで?





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