黒バス
□抱きしめよう
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「…好き。」
そう言った後輩の顔は夕日色に染まっていた。それが夕日のせいじゃないんだとわかったのは、今こいつが言った言葉のせいで。
それを意識したらなんだか見てるこっちが恥ずかしくなってきた。
「あぁ?」
この犬みたいな後輩の気持ちに気づいたのはいったいどれくらい前のことだろう。
一面赤く染まった公園で、こいつに好きと言われて考えてみる。
確か、始めてこいつのそれらしい行動を見たのはインター杯が終わったばかりのことだ。あの時は部室だった。
個人練習を終えて部室に戻ったら、黄瀬がいて泣いてたんだっけ。
ただ泣いていただけならきっと忘れてただろう。
でも、そん時あいつーー
『好き』
って俺のロッカー叩いてたんだよな。
それを見たら、なんとなく放っておけなくて。
それからだろう。この泣き虫な後輩を見つめるようになったのは。抱きしめてやりたいと思うようになったのは。
「あのなぁ…。」
こんな馬鹿正直で可愛い後輩に、その時俺も助けられたのかもしれない。
そうでなきゃ、こんな気持ちになるはずがない。見惚れてしまうなんて、あるわけがない。
ならば、責任とか言うもんをこいつに取らせてやれるんだろうか。
「そんなことーー、」
そしたら、俺もその責任とやらをとんないといけないんだろう。
だからまあ、取り敢えずーー。
「とっくに、知ってるっての。」
抱きしめてみようかな。
end
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読んでいただきありがとうございました^ ^
赤信号は笠黄派です!
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青信号は腐ってません!
最後にでもしていだたけたら嬉しいです^ ^