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□今日も頑張る君に。
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リサ「えーっと…16世紀、フィリップは……」

クロード「リサさん、17世紀です。」

リサ「す、すみません…」




俺は知ってるよ。
誰よりも君を見てきたから。




リサ「2週間後に王妃様の衣装ですね?分かりました。」

クロード「はい、プリンセスのレッスンもあるのですが、大丈夫でしょうか。」

リサ「やる前から諦めるのは嫌いなんです。やってみせます。」




どんなに厳しい状況でも
諦めない君の事。




リサ「このデザインよりこっちの方が秋らしくていいかな…」




どんな時でも笑顔を輝かせる
君の事を。



リサ「クロードさん!生地屋へ行ってもいいですか?」



そんな君を全て知ってるよ。



リサ「こんな生地、ありませんか?えぇ、そうです!」




だから忘れないでほしい。
その姿は誰よりも輝いている事を。



リサ「よし、生地は買えたし…少し復習してから再開しよう。」




そんな君の姿が
一番美しい事を…



リサ「フィリップは17世紀に…」




周りと比べる必要なんて
全くないよ。




リサ「…できた!!!」




君は君らしくいて。
俺はこんな君だから




ウィル「リサ、入ってもいい?」

リサ「ウィル?えぇ、どうぞ!」

ウィル「…勉強?」

リサ「えぇ、やっと覚えられたのよ!!」

ウィル「リサはいつも頑張ってたからね。」

リサ「…少しはプリンセスっぽく見えるようになってきたかな?」






恋に落ちた。




ウィル「リサは俺のプリンセスだよ。誰が何を言おうと。」

リサ「ウィル…」

ウィル「おいで…」





愛してる。
そう言葉にすればするほど
想いも溢れる。


それは全て
君だから。




今日も頑張る君に。
ーーYou are my happinessーー








1日の始まりは幸せなものだ。
そう考えるようになったのはまさしく、彼女の存在があるからだろう。

すぐそばでスースーと可愛らしく寝息を立てて眠るリサ。そんなリサの前髪をそっと撫でる。

たった一秒のこの動作でさえ愛おしい。
それ以上に存在が愛おしい。


リサ「…ウィル?」

ウィル「おはよ、リサ。」

リサ「いつから起きてたの?」

ウィル「少し前くらいかな?」


起こしてくれれば良かったのに。
そう言いながら頬を膨らます彼女の動作にさえ愛おしさを感じる。


リサ「ウィル、そろそろ行こう。」

ウィル「そうだね。」


君の笑顔で1日が始まるのならどんなにつまらないことでも頑張れる。

リサ「今日はキース王子とエドワード王子と会談?」

ウィル「うん、少し遅くなると思う。」

リサ「そう…無理はしないでね?
ウィルはよく無理をするから…」

ウィル「リサこそ。」


そして顔を見合わせ微笑みあう。


こんな小さな出来事ですら幸せを感じる。

そんな事、あるはずないと思っていた。


ウィル「全て君にと出会う前までの事だが…」

リサ「え?」

ウィル「いや、何でもない。」

リサ「そう…?
じゃあ、私はここで。」

ウィル「うん、また後でね。」

リサ「うん。」


変わったと思う。
心の底から。


ウィル「リサ…」

リサ「ウィル…どうしたの?」

ウィル「いや…なんとなく抱きしめたくなった。」


視界がキラキラと輝くものになったんだ。

そう、君の輝く笑顔があるから。


リサ「ウィル…もう行かなきゃ。」

ウィル「そうだね…俺はリサの事になると歯止めが効かなくなるようだな。」

リサ「それは私もですよ?」

そして今日もその笑顔で


リサ「いってらっしゃい。ウィル。今日も1日頑張ってね。」


そう言ってくれる。

そうだな、今日も1日頑張ってみようか。
リサの笑顔を見るために。

ウィル「いってくる。」


そして言おうか。
いつも君が俺に言ってくれる言葉を。


ウィル「リサ。」

リサ「ん?」

ウィル「今日も1日頑張るんだよ。」

そしたらやっぱり笑顔を見せてくれる。


リサ「ええ!」


さぁ、今日の1日の始まりだ。


end
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