novel

□チャクラ
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「次の方どうぞ〜」
ドアをあけると白衣をきっちり着こなしてイスに座る彼女がいた。

「あら。サスケ君じゃない。どうしたの?」
「いや・・・べつに・・・」
「あ、もしかして、目??」

彼女の顔が曇る。
「いや、目の方は大丈夫だ。目薬は相変わらずひりひりするけどな。あれはどうにかならんのか?」
ほっとした顔をするとフフッと笑い、子供じゃないんだからと言う。

「ん〜みたところ何もけがしてなさそうなんだけど。もしかして我慢かなにかしてる?」
ぐっと眉間にしわをよせながらチャクラをあてておかしいところがないかみているようだ。

あいかわらず暖かいチャクラだなと思いながら目をつぶっていた。
今や、サクラやナルト、自分を含めた同期は里の中心となる若手になっている。ナルトと一緒に任務に出ることもあるが、最近の任務は暗部寄りのものが増えた。相手と対峙するとき相手のチャクラに触れることが多い。
ほとんどというかすべてといっていいほどそのチャクラは冷たい。
チャクラは人の心の鏡写しなのかもしれない。そうだとしたら俺のチャクラは…

「もしかして仮病??珍しいわ。」
こつんとおでこに感触が伝わり目をあけると目の前に彼女の顔があった。その近さに驚きながらもより近くで感じられる彼女のチャクラに癒される。

「俺のチャクラは…その…冷たくないか…?」

サクラはきょとんとして俺を見てきた。
なんてことを聞いてしまったんだと後悔した。

「サスケ君のチャクラはあったかいよ。ナルトとはまた違う暖かさがあるよ。」
そういいながら俺を抱きしめてきた。
「それに!もしサスケ君のチャクラが冷たくなっても私が暖めてあげるから!」

にっこり笑うサクラのサクラらしい返答にかなわないなと思いつつ、こんな仮病もありだなと思った。

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