novel
□可哀想なやつら
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「ナルト!」
久しぶりに火影としての忙しい仕事がひと段落したので散歩をしてると懐かしい声に呼ばれた。
振り返るとピンクの頭をした彼女が男の人に手をふって別れを告げこちらに走ってくるのがみえた。
「サクラちゃん…彼氏いたっけ?」
目の前にきた彼女に思ったことをポツリとつぶやいた。
「彼氏??なによ、バカにしてるの?いるわけないじゃない!」
「さっきの男の人は??」
「さっきの人はいののことが好きな男の人!好きなものとか聞かれてたのよ!
ったく、あんたまでそんなこというわけ??失礼しちゃうわよ。2人ともモテるからって…」
ぷくっと頬を膨らませ彼女は隣を通り過ぎ歩き出す。
「2人??」
あわてて追いかけながらそう問うと、くるっと髪を揺らしながら振り向き翡翠色の目でキリッと睨みつけてきた。
「あんたとサスケくん!この前もサスケくんにそんなこと言われちゃったわよ!」
その一言を聞いてポーかフェイスながらサスケの焦る顔を思い浮かべ、思わずふきだしてしまった。
サクラちゃんはそんな俺を不思議そうな顔をして見つめる。
「へんなの!まぁいいわ!散歩なんでしょ?付き合ってあげる」
そう言いながら隣を歩いてくれる彼女。
「好きだよ」
サクラちゃんは、んっ?とこっちを向いて笑顔で
「わたしもよナルト!あんたもサスケくんもずーっと!」と言ってまた歩き出した。
サスケもおれもまだまだ可哀想な奴らだなと彼女の背中をみながら残念な気持ち半分、彼女のあたたかさにもう少しだけ触れておこうと少し先をゆく彼女の隣まで走った。