Kiss

□Morning Dessert:eat up ver.
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朝はいつも早く起きる。特にツアーなどでホテルに宿泊の時は必ず早起きする。忘れ物が多いから荷物チェックのためというのもあるけれど、本当の理由は別にある。

今日もその理由に口付けて、起こさないように起き上がる。

「おはよう、ウーファン。まだ少し寝ていてね。」







【Morning Dessert】eat up ver.








「おはよう、レイ、今日も早いな。」

朝食を食べにホテルのレストランに降りると、マネヒョンたちが食事をとっていて、声をかけてくれる。

「おはようございます。ヒョンたちも早いですね。」

「まぁな。これなかなか美味いぞ。」

「じゃあ僕もそれとってこよう。」

ビュッフェ形式のカウンターからいろいろとって戻る。

「お?随分食べるな。いいことだ。お前はちょっと細すぎる。」

ヒョンの言葉に苦笑いしながら、朝食をとる。やがて他のスタッフ達もおりてきたところで、少し早めに席を立つ。

「そろそろウーファン起こしてきますね。」

「いつも悪いな。頼んだぞ!あいつ寝起き超機嫌悪いからな。あの整った顔と体格で不機嫌全開にされるとおっかないのなんの。」

「そんなことないですよ。」

ぽそりと漏らすと、

「え?」

と聞き返される。

「いえ、なんでも。じゃあまた後で。」

「ああ、よろしくなー!」

ヒョンたちと別れ、部屋に戻る途中、ギョンスとすれ違う。

「おはよう。その包み、また?」

「おはよう。そういうディオもでしょ?」

「うん…まぁ…。お互い寝起きの悪い恋人を持つと大変だね。じゃあまた後でね。」

2人にしかわからない会話を交わし、部屋に入る。

思ったとおりウーファンはまだ眠っていて、気持ちよさそうに寝息をたてている。普段のカッコイイ彼とはまた違う、可愛らしい寝顔に笑みが零れる。

「ウーファン、そろそろ起きて。支度しないと。」

「、イーシン…。」

名前を呼んだかと思うと、また夢の中へと戻ろうとするので、頬に手を添えてもう一度言う。

「ウーファン、朝ごはん食べられなくなっちゃうよ?」

「……いらない……」

「ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ。」

「じゃあデザートだけ。」

そういうと、僕の腕を引っ張って、優しく胸に納める。

「甘いデザートが食べたい。」

言いながら、僕の服の中に手を滑らせる。

「あ、ん…ん、」

「今日も美味しそう。」

見上げたその顔は蕩けそうな程甘く、降り注ぐ口付けは、まるで粉砂糖のよう。

「ん、は…残さず、食べ、てね、」

「もちろん。こんな美味しいデザート、残すわけないだろ。」

溶けそうに熱い囁きとともに胸に与えられる、甘い痺れに体が熱くなる。

「はぁ、それ、好き、」

「俺も好き。」

言葉とともに柔らかく喰まれ、舌で嬲られる。もっと、とねだれば、指で、舌で、その牙で味わうように愛される。

自分だけが溶けてしまうのが嫌で、ウーファンの下半身に手を伸ばし、すでに熱を持ったそこに指を絡める。

「ん…イーシン、気持ちいいよ。」

触れた熱で、指先から溶けていくような感覚に囚われる。ウーファンの手が、その溶けてしまった蜜を辿るように僕の体を這って、トロトロと熱を零すそこへとたどり着く。

「んん、あ、気持ち、ぃ、」

絡まる指に、たまらず自ら腰を押し付けて甘えた声をあげる。互いに指を絡ませあい、口付けあって溶けていく。

2人がこぼした熱で濡れた指先が奥に触れる。味見するみたいに、突ついては、入り口をくすぐる指が焦ったくて、誘うように足を絡める。

「ここ、すごく熟れて、俺の指まで溶けそう。」

言葉と共に中に入ってくる指を、そこが喜んで締め付けてしまう。そんな自分の体を嬉しそうにウーファンに見つめられ、ますます体がグズグズと溶けていく。指を増やされ、長い指先が自分の感じるところをこするたび、ウーファンの背に爪をたててしまう。

「しっかり掴まれよ。」

背にまわした手を首にまわされ、グズグズになったそこを、火傷しそうな程熱くなったウーファンが満たしていく。

「あ、はぁ、んん、んっすごい、」

「イーシンの中も、はぁ、溶けそうだ。」

皮膚なんてないみたいに、溶けた体が混じり合う。まるで同じカップで混ざり合う、バニラアイスとチョコレートアイスみたいに、溶けて、混ざり合って、境目なんてわからない。

優しくゆっくり、ウーファンのそこが中をこすりあげる。我を忘れる激しさではないけれど、溶け合う体を確かめるようなその行為に、思考が蕩けてしまう。ただ求める本能だけが残って、唇は口付けを、指先はすがりつく体を、心は愛する人の心だけを求める。

「イーシン、綺麗だよ。俺の愛しい人。」

「僕も、あぁ、ん、愛してる、はぁ!」

降り注ぐ砂糖が、溶かされ、蜜になり、やがてキャラメルになるみたいに、僕はこの身を溶かす甘い彼を、彼はその身を焦がす、甘い僕を味わう。










朝は甘い甘いデザートを。

時間いっぱい、たくさん食べたい。

一口なんて言わないで。

だってあなたは僕のスペシャルデザート。















おまけ
「はい、これ食べて。」

「ありがとう。ん、これ美味い。」

「良かった。」

ビュッフェで作って用意しておいたサンドイッチを頬張りながら、ウーファンが僕の頭にキスを落とす。

「いつもありがとう。」

「どういたしまして。」

甘いデザートを食べるためなら、お安い御用。

ねぇウーファン、また食べさせてね。

あなたという、甘い朝のデザートを。

end

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