Kiss
□My wife
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よくギョンスは“exoのオンマ”って言われるけれど、あれ、本当はちょっと違う。正しくは俺のオンマ。てか“俺の奥さん”が正解。
【My wife】
「ねぇ、カイお腹空いたよ〜。」
「僕もお腹空きました。」
リビングでゲームをしていると、マンネコンビが俺に言う。
「は?知らねーよ。なんか適当に食えよ。」
そう言って、菓子を投げてやると、
「こういうのじゃなくて、ちゃんとしたご飯が食べたいです〜。」
「僕もです。ギョンスヒョンにお願いしてください。」
とこちらを見つめてくる。
そう、ギョンスはけして誰にでも優しいわけではない。もちろん優しいけれど、毎回毎回聞いてくれるのは、俺のお願いだけ。
だから2人はギョンスにお願いするのではなく、俺にお願いするようにお願いしてくるのだ。
はぁ、とため息をついてギョンスの方を見ると、まだチャニョリヒョンの伴奏で楽しくチェンと歌っている。
「我慢しろよ。」
「やだ!だってあれいつまで続くの?全然終わらないじゃん!」
タオがキャンキャン噛み付けば、
「カイヒョンだって面白くないくせに。」
と可愛げないマンネもぽそりと漏らす。
実際面白くない。
今日は外で食べて帰ってきたので、洗い物もなく時間に余裕があるので、久々にギョンスもみんなとのんびり寛いでいる。
それはとてもいいことだし、ギョンスが楽しそうだと、俺も嬉しい。
だけど、ずっとチャニョリヒョンのギターに合わせて歌っているのは、なんとなく面白くない。ときどきアイコンタクトをとって笑いあっているのが、さらにイライラを募らせる。
だからと言って、邪魔するのはなんだか子供地味ていて嫌だし、しかたなくジレンマに陥りながら、こうして時間を潰しているのだ。
「うるさいっ!ギョンスの時間も大事だろ。いつも俺たちの面倒みてくれてるんだから、たまにはゆっくりさせてやれよ!」
そう怒鳴って、またゲームを再開しようとした時。
「ジョンイナ……ありがとう。」
後ろからの声に驚いて振り返ると、さっきまで歌っていたギョンスが立っていて、嬉しそうに俺を抱きしめてくる。
「そんな風に気遣ってくれてたなんて、知らなかった。すごく嬉しい。」
めずらしく、みんなの前で頬を染めて俺に抱きつくギョンスに俺まで恥ずかしくなってくる。
「なんかカイって妻を労わる夫みたいだね。」
そう笑うチェンの横から、
「じゃあ僕たちは2人の子供です。オンマ、お腹空きました。」
「僕も!マーマのごはんが食べたい!」
と便乗したマンネコンビがせがむ。
「ギョンスがオンマでカイがアッパなら、俺はなんになるんだ?」
そう悪ノリするスホヒョンに、
「おじいちゃんでしょ。」
と悪びれなくチェンが突っ込めば、
「あちゃー」
と言って、みんな笑い合う。
「さ、じゃあ仕方ない、可愛い我が子がお腹すかせてるみたいだから、なんか作るよ。おじいちゃんも食べますか?」
ギョンスもふざけて言えば、みんな、僕も、俺もと騒ぎだし、結局、全員分を作ることになった。
「なんか悪い、結局ギョンスが作ることになっちゃって。」
やっと2人きりになり、そう謝ると、
「いいよ。みんなのオンマも悪くないし。
それに…
オンマを気遣ってくれる優しいアッパがいるから。」
そんな風に嬉しそうに言われたら、本当はチャニョリヒョンにイラついていたなんて言えず、
「当たり前だろ。ギョンスは、みんなのオンマじゃなくて、俺の奥さんなんだから。」
そう答える。
「でも、本当はチャニョルと騒いでたの気に入らなかったでしょ?顔にでてたよ。」
「え?」
「奥さんなんだから、旦那様のことならなんでもお見通しだよ。」
いたずらに笑われ、やっぱりギョンスには敵わない、と笑う。
「じゃあ今旦那様が一番欲しい物、わかる?」
「もちろん!」
返事とともに重なる唇。少しづつ深くしていけば、そっと首に手が回される。
本当、うちの奥さんはなんでもお見通し。いつも、愛してるよ。可愛い可愛い俺だけの奥様。
end
最近のインタビューで、ギョンスが「毎回ご飯を作るわけではない」みたいなコメントをしていたのをもとに、創作してみました〜。なんかオススメのエピソードがありましたら、ぜひ教えてくださーい(о´∀`о)