Back at one(with Changjo 2015.8.19 up

□One
1ページ/6ページ







One 君は叶った夢のようだ

Two ただ君と一緒にいたいんだ

Three 君が僕にとってただ一人の女の子であることは明らかだ

Four1,2,3とダンスのステップを繰り返して

Five 君を僕に夢中にさせたい

もし僕のするべきことをやり遂げたと確信さえすれば

僕はもう一度最初(one)から始められるんだ








「ねえ、私たちは最初で最後よね」

そう笑った唇で
何度もオレの名前を呼んだ唇で

「お互いの利害が一致して、良い思いができたんだから、それで良しとしましょう」

呆気なく終わりを告げられるのはどうしてなんだろう?








「ジョンヒョナ、ゲートは7番だよ」

呼び止められて居なければ、きっと歩き続けていたはずだ。人のごった返す年末の空港、さざ波のように聞こえる人々の話し声は、どれも自分には関係無い。

「本当に行くの・・・?」

立ち止まって振り向いたオレを見る二重瞼。被った帽子を1度かぶり直して

「せっかくの休みに実家に帰らないなんて、オンマが泣くかもよ」

低い呟き、その響きには心が揺れたけれど・・・

「でもきっと帰っても泣かれる」

「う〜ん・・・」

大袈裟に腕を組んだ同ライン。メンバーがそれぞれ仕事を理由に来られない中、無理矢理(マネージャー泣かせだ)スケジュールを空けて来てくれる彼の気持ちが有難い。自分も、初めてのミュージカルの練習で余裕も無いだろうに。

「・・・10日だけだし」

「そうだね」

「帰る時にまた連絡するから」

「向こうで金髪美女に引っかかるなよ〜」

「引っかかるか!」

つい、力が入ってしまった。ちょっと大きくなった瞳が、すぐに細くなり

「ごめん・・・」

小さく項垂れて、彼は持っていた紙袋を差し出した。

「みんなからだよ。機内で開けてって」

押し付けられたそれは適度な重さが有るけれど、ほぼ手ぶらの状態で邪魔にはならない。
アナウンスが呼んでいる。19:30分発・・・

「じゃあ、行くから」

「気を付けて!」

パチンと掌を合わせて、踵を返す。武者修行といえば聞こえは良いけれど、傷心旅行とでも言い換えられるのかも知れない。
見慣れた街が遠くなる。
いつもはうるさい周りが静かだ。

イヤホンを耳に入れて、先程の紙袋を漁っていたら、炭酸飲料のボトルを見付けた。

気付くべきだった。

これをくれたのが、メンバーであるということに。

「うっっっっわ!!!」

蓋を捻ると溢れる白い大量の泡。甘い香り。聞こえてきそうな笑い声。

慌てるオレのすぐ上で、機上独特の騒音に紛れてアナウンスが告げている






この度は・・・・航空・・・
ニューヨーク行きをご利用頂き
誠に有難うございます・・・
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ