Walk by・・・(with C.A.P 2013.11.22 完結)

□青い夜。
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真綾ヌナが働いている図書館は、最寄り駅のすぐ近くだ。

比較的大きな茶色の建物は遠くからでも目立つし、収容している本の数も結構らしい。

オレたちにはあまり縁がない場所と言っても過言ではない所が悲しいけど。

棚の隙間から、ニエルが伺っている。

何でお前、そんな髪の色にしたんだろうな・・・帽子かぶっても目立ってる。

「ニエル・・・あのさ、真綾ヌナに会いたいんだったらさ、仕事が終わってからにしねぇか?」

「だって、今日は絶対明け方まで帰れないよ」

夕方から収録だもん。
そう毛糸の帽子に付いたポンポンが答える。

仕事と仕事の合間の数時間をこうして使うなら、オレは寝ていたいけど。

ニエルの向こうに、黒髪をひとつに纏めてグリーンのエプロンをつけた真綾ヌナがせっせと本を棚に返しているのが見える。

ちょこちょこと良く動くその姿は、まるで小動物だ。

「いつ声かける?もう時間無いぞ」

なんて言いながら、本棚を見渡していたら、ふと目に留まった本があった。

前は良くながめていた。

取り出してみると、懐かしい表紙が顔を見せる。

「ケッピョン?」

ニエルがこっちを見ていた。
その先に、ヌナ。
見つからない方がおかしいくらいの視線の送りようだったもんな。

「ピカソの画集ね?」

オレの手元を見たヌナが言う。

好きなの?









前にも、そう聞かれたことがある。
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