HQ!-cp-
□その守護神、狼を所望す。
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「なぁー旭。結局のところ、お前って西谷とどこまでいってんの?」
昼休み、珍しく主将副主将バカップルが来たと思ったら開口一番、スガがとんでもないことを口にする。
ごほっと咳き込んで含んでいたパンを喉に詰まらせる。
「なんだよ、慌ててさー。まさか本当に何もしてないの?」
「・・・ごほっ・・・本当にって・・・?」
「なんかさー西谷が珍しく元気なさげだったからさ、こないだ聞いてみたらさ、お前と全然進まないって悩んでたぞー?」
「・・・」
「なんでなんだよー、俺が言うのもなんだけど、西谷最近めっちゃその・・・色っぽくねぇ?もう子供じゃないんだし、そろそろいいんじゃねぇの?男同士とかそんなの今更だろ?」
うんうんと横で大地も頷く。
「・・・西谷は・・・まだ子供だよ。俺の本性を知ったらきっと怖がる。」
「そんなことないべー?もうむしろ誘ってるとしか思えないって!」
「・・・それが・・・!子供だって言うんだよっ・・・」
「??」
スガと大地がきょとんと頭の上に?マークを浮かべる。
・・・正直、ずっと西谷をそういう目で見てきた俺にとって、西谷は綺麗で無垢な存在だった。付き合う前から毎晩頭の中であの服を剥がして犯してきた。
だからあいつが告白してきた時・・・嬉しかった反面、怖かった。
いつか想像の中で西谷にしてきたことを、現実にしてしまって、あいつに嫌われてしまうんじゃないかって・・・
昨日もあんな目で俺を見てきて・・・
いつも俺がどれだけ我慢してるかも知らないで・・・
たぶん、俺はいざ西谷をこの手にしてしまうと、優しくあいつを抱いてやることなんか出来ない・・・あいつが望むような恋人同士の甘いことは出来ない・・・
あいつがもう無理だって、泣き叫んだって・・・俺は自分を制御できる自信がない・・・
それは時間を重ねるごとに難しくなってきて、もう限界まで来ていた。
・・・そろそろ、潮時なのかもしれない。
俺から開放してやらないと、あいつは・・・あの小さくて綺麗な身体は壊れてしまうかもしれない。
「じゃあなー。じゃあすまんが、後は頼んだぞ。」
部活後、皆で坂ノ下へ行く流れになり、なんとなくあいつの顔が見れなくて。部室に忘れ物をしたと嘘をついて大地に鍵を借りて元来た道を逆走した。
バタンと部室のドアを閉め、崩れ落ちる。
もう・・・いよいよダメかもしれない・・・
西谷の、あの眩しい笑顔を見るだけで、知らない間に自分の黒い欲が渦巻いて、あの笑顔を汚したくて堪らなくなる。
鞄を肩から下ろして靴を脱ぐ。
ロッカーに背中を預けて制服のベルトをカチャカチャと外す。そっと自身を取り出そうとしたとき・・・
バタンー!!
「旭さんっ!!」
「っぎゃー!?西谷!??」
勢い良く扉を開けた西谷がこちらを凝視する。ぱくぱくと口を開きながら顔を真っ赤にして「いや・・・あの・・・みんな待って・・・」とごにょごにょ言っている。
はぁと溜息を吐いてズボンを直そうと思い立ち上がると、思いっきりロッカーに押し倒された。
「いてっ!」
「旭さんっ!」
「何・・・!?」
見ると、西谷の顔は先ほどと同じように真っ赤なままなのに、その瞳は切なそうに揺れ動いていた。
俺を跨いだままの格好で俺のベルトに手を掛けて、再度俺自身を取り出そうとする。
「ちょ・・・ちょっと待て、西谷!落ち着け!」
「落ち着いてらんねーよ!なんだよ!俺じゃ興奮しねーのかよ!?1人で慰める方がよっぽどイイのかよ!?」
涙をぐっと溜めて睨みつけてくる・・・お願いだ、そんな目で見るなよ・・・
ぞくりと腰に快感が走る。
やばい。
これ以上はやばい。
「俺が・・・男だからッスか・・・?」
「・・・違うよ、ほら西谷はまだ子供だろ?まだ早いよ・・・」
そう言って宥めようと頭に手を伸ばすと、その手を払いのけられ、胸倉を掴まれる。
「・・・俺は・・・!子供じゃねぇよ!確かに・・・普通の女みてぇに抱いてもヨクねぇかもしんねぇけど・・・旭さんに触って欲しくて・・・俺・・・っ!」
だから・・・
西谷の腰をぐっと引き寄せ、自身の高ぶりをゴリっと擦り付ける。
「・・・あっ!」
頬を赤らめてびっくりした顔。
「そういうのが、子供なんだよ・・・」
薄く開いたその唇にがぶりと噛み付いた。