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□月夜に猫を憂う。
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「・・・んっ・・・」
「声・・・我慢すんなよ。」
「・・・ああっ!」
耳殻をぞわりと舐められ、中まで舌をくちゅくちゅと這わせた後、耳の裏から首筋まで一気に快感が駆け抜ける。
それと同時にいつの間にか脱がされた服が頭の上の手で絡まり、もがいていると、胸の突起をゆっくりと指の腹で押しつぶされる。
手が動けないことをいいことに片手であっさりと両手の自由を奪われ、脇にまで舌を這わされる。
「・・・あっ・・・そんなとこ・・・」
「いいじゃん・・・ツッキーの匂いがする・・・」
「・・・へんたっい!・・・いつもはそんなとこ・・・」
黒尾より薄い自分の身体を手が這い、腹筋の割れ目やへその穴まで優しく愛撫される。
いつもより、執拗で、優しい・・・
そんな黒尾の様子にぞくぞくと快感が走り、触られてもいない月島の自身はすっかり立ち上がっていた。
ゴリっと急に黒尾自身の高ぶりを自身に押し突けられ、一気に快感が突き抜ける。
「あっ・・・!」
「蛍・・・いつもより、興奮してる?」
「・・・くっ!」
なんで!
今まで一度だって・・・名前で呼んだことなかった癖に・・・
なんだっていうんだ。
一体今日はどうしたっていうんだ。
デートみたいにケーキを食べに行って。
表情だけで僕の考えていることを当ててみせて。
手を繋いで。
優しく、触れて。
その声で名前を呼んで・・・
おかしいじゃないか。
これじゃまるで・・・本当の恋人同士みたいじゃないか・・・
おかしい。
だって、一番おかしいのは、こんな状況が、どうしようもなく嬉しいと思ってしまう自分がいること。
もう・・・ダメだ。この人には適わない。
猫みたいにきまぐれなこの人に翻弄されて、それでも自分はこの人が・・・
好きだって、思ってしまうんだから・・・
またも涙が溢れそうになる。
でも快感で絆された今の自分にはさっきみたいにその涙を誤魔化す術はもうなくて・・・
「・・・ふっ・・・」
涙はつぅ・・・と頬を伝った。
「蛍・・・可愛い。」
ペロリと、頬の涙を舐め取られる。
「・・・やっと、素直になってきた?」
もう、この人が何を言ってるのか分からない・・・
優しく頭を撫でながら、愛しいものを見るような目で僕を見る。
「・・・あぅっ・・・」
それでいて、もう片方の手で僕のソレを擦る動きは止まらない。
「ね、蛍。俺が欲しい?」
ね、俺の心も欲しい?
そう聞かれたような気がして・・・
もう何も考えられなくなって、思わず呟いてしまった・・・
「あんたの・・・全部が欲しい・・・」
すると、ニヤリと笑って、
「やっと俺のモノになったな・・・」
と呟いた・・・