その他いろいろ!進撃、黒バス、ib、マギ☆

□もう子供じゃないの
2ページ/3ページ

「じゃあ私、そろそろ帰るね」

それから2時間程たっていた。その日書く予定だった絵も完成している。

「あら…もう?」
ギャリーが名残惜しそうに私を見る。それが少し嬉しいなんて。

もう少しここにいたいな、と思ってしまうが、あまり長居すると迷惑がかかる。ギャリーは隠しているつもりかもしれないけれど、いつも私をここに入れることで偉い人達に怒られていることを私は知っている。

ーーそれでもくる事はやめないなんて。ほんとにわれながらしつこいな。

「うん、帰るよ。また来るね?」
笑顔でギャリーにかえすと、ギャリーも微笑み返してくれた。
「そう…分かったわ。帰り、気をつけてね」

私はコートをとり、部屋からでた。


**************

建物の外は、やはり少し寒かった。
コートをもってきて正解だったな、なんて思う。それにしても

「もう諦めた方がいいのかな…」
思わす声がでる。けれど本当にそう思う。大好きだし諦めたくないけど。このままかなわない不毛な恋なら、なんて
ーーーーー弱気すぎるなぁ。

考え事をしながら歩いていたせいか、いつもと違うひと気のない道に迷い込んでいた。
どうしよう、と誰に聞かれるともなしに呟く。
ここは不良達の溜まり場らしく、壁のラクガキもふえてきた。


「ねぇ、何してるの?1人?遊ばない?」
いきなり話しかけられる。こういう事は初めてではないが、ここは特にひと気のない道。自分の力は決して強いとは言えない。
何も言えずにいると、その男はいきなり腕をつかんできた。
「ねぇ、いいからさ。とりあえずこっちへーー「その子にさわるな」

聞き慣れた声。けれどいつもと違う口調。

「その子から離れろよ。このクズが」
怒りを含んだ声に、男はたじろきどこかへ行く。




まだ、顔を見ていない。だめだよ、期待したら。こんな時に都合よく駆けつけてくれるなんてー


「大丈夫!?イヴ!!」
ああ。ギャリーだ。大好きな。

私は彼にかけより、昔の様に抱きつく。
ーー最近はなかなかする事の出来なかった小さい頃のくせ。


「かわいそうに、イヴ…。よっぽど怖かったのね…。もう大丈夫よ、アタシがついてるから」

私は、こくこくと頷いた。いつだってそう。最初に駆けつけてくるれのは…


「ありがとう、ギャリー」


もう子供じゃない。だけど、こうして抱きしめてくれるのが嬉しいなんて。でもまだ認められないから。


もう、子供じゃないって、私はいうの。









「それにしても、ギャリー」
「どうしたの?」
「どうしてあの場所にいたの?結構学校からは離れていたはずだけど」
「…そ、それは…あのね、あんたももう、子供じゃないし…見た目も…ね?いつも心配だったのよ、1人でくるから」
「…じゃあいつもついてきてくれていたの?」
「そ、そうだけど…迷惑だったかしら…でも心配で心配でって…なににやけてんのよ、イヴ」





もう子供じゃないの
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ