その他いろいろ!進撃、黒バス、ib、マギ☆
□もう子供じゃないの
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忘れることのできない記憶。
あなたと、あの子と、私の。
でもね、あなたは気付いていない、気付かないフリをしているのかもしれないけれど。
もう子供じゃないの
美味しそうなマカロン。ショーウィンドウに飾られている箱の中には、色とりどりのマカロンがならんでいた。
あの人が喜びそうだな、と思いお店の中に入る。あまり沢山のものをもっていくと怒られるので、一箱だけ買って行く。
あの人ーーーギャリーは、美術学校の先生だ。あの体験の後知った。
学校に着く。そして、あなたのいる教室のドアをあける。
ーボロボロのコート。ゆらゆらとゆれる紫の髪。
「あら、イヴ!来てくれたのね!紅茶でも飲むかしら?」
「うん…っ!マカロンももってきたの。一緒にたべよう?」
「もう、イヴったら。毎回毎回そんなにお菓子をもってこなくてもいいのに。大変じゃない?」
ギャリーは、二つのカップに甘いミルクティーを注ぎながら行った。新しい茶葉をかった時は、自分に一番に飲ませてくれる。私が小さな頃からの習慣だといっても、そんなことで嬉しくなる。
「だってーーギャリーは、いつも私の絵をお金も取らずに見てくれるから、そのお礼。それに大変じゃないよ?私、他のことにあまりお金つかわないもの」
するとギャリーは私にむかってほほえむ。
「なにいってんのよ。アタシがあんたからお金をとるわけないでしょ?アタシとイヴの仲じゃない」
それに、とギャリーは続ける。
「子供はそんなこと、気にしなくていいのよ?お土産だなんて、ほんとにいらないわ。もちろん嬉しいけれど。来てくれるだけでとても嬉しいから」
…子供。その言葉に胸がチクリといたむ。イヴは今年で19歳になる。もう、子供じゃないと自分では思っているのに、ギャリーは私をいつまでたっても子供扱いする。
そりゃ、ギャリーからしてみれば私は子供なのかもしれないけれど。
もう年頃で、普通なら恋人がいてもおかしくない、むしろ、いない方が驚かれる。
ー恋愛対処としてみてほしいなんて、そんな贅沢言わないのに。ただ、もう少し大人扱いしてほしい。
「イヴ?どうしたの?」
優しい笑顔。大好きだけど。
私があなたにずっと恋をしていると言ったらあなたはどう思うかな。
驚くかな、受け入れてくれるかな。
もしかするともう笑ってくれなくなるのかも。
「なんでもないよ?…マカロン、たべよう?」
ただもう少しだけ、大人扱いしてほしい。