カゲプロ

□やっぱ君だね
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「団長さん!これ、番組の景品でもらったんですけど!いりませんか?」




やっぱ君だね






モモがそう言って出したモノは、4枚のチケットだった。アジトの近くにできた、遊園地らしい。
「これ、もらったんですけど、私この有効日が丁度撮影で…バカ兄が行くわけないし、団長さんとカノさんとマリーちゃんとセトさんでどうですか?」
「うわあ、行きたいな…!」
マリーはそれを聞くと思い切り目を輝かせた。その様子に、モモも嬉しそうにうなずく。マリーが行きたいと言って、セトが行きたがらない訳がない。今日はバイトでいないが、聞けばとても喜ぶだろう。
「いいんじゃない?キド。たまには息抜きに」
カノは、雑誌をパラパラとめくりながら答える。その顔は、いつも通り笑顔である。

「う…」
正直、キドは遊園地のたぐいが得意ではない。前、メカクシ団で行った時も、お化け屋敷でとてつもなく恥ずかしい失態をおかしてしまった。けれど。

…これだけ皆が乗り気なのに、団長の俺のせいで行けなくなるのはな…。

それは、団長としてのプライドが許さない。というか、怖いから行けないとか恥ずかしくて言えない。

「おう…。まあ、たまにはいいだろう!」
気持ちを悟られないように、笑顔で言い放つ。
「やったあ、キド、ありがとう!モモちゃんも!」
「全然いいんだよマリーちゃん!あ、あと、言い忘れてたんですけど、団長さん!」











「これ、カップルペアチケットなんで、二人一組ずつで入ってもらうことになるので!よろしくお願いしますね!」
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