銀魂

□とある真夏の恐怖夜話
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歌舞伎町にある寺子屋の裏のひと気のない神社。子供の幽霊が出るらしい。
子供達の間でそんな噂が流れたのは、まだ盆もきていない真夏の日だった。





とある真夏の恐怖夜話



「というわけなんですよ…。おねげぇしますよ万事屋さん」
「そ…そーいわれてもなあ…幽霊とか俺信じてねぇしぃ…。なぁ、新八ぃ?」
「あんたただ怖いだけでしょ!…っていうか久々の仕事なのに…絶対断っちゃだめですからね!?」
「あ、あのぉ…?なにがぁ…」
「「いえいえなんでもございませーーん!」」

銀時と新八の前に、座っているのはひとりの年老いた男だ。人の良さそうな顔に、困ったような表情をうかべている。そりゃそうだ。こんなとこ、よほど困っていなければこない。
なんでも、変な幽霊の噂がでてから、寺子屋に子供がだれもきてくれなくなったそうだ。それの正体を見つけてほしいと、わざわざここに頼みにきたわけである。

「もちろん我々もほんとに幽霊がでるた思ってねぇんですよぅ。けんども、なにかのイタズラか何かでしょうが、ほんとに夜になると物音とかが絶えなくて…」
「そんなこと言われてもなぁ…。銀さん困っちゃうよ」
「困っちゃうよ、じゃありませんよ。うけましょうよ、この依頼!」
銀時は、まじかよという風に肩をすぼめた。
「まー適当にでっち上げでもすっか…。あ、神楽には内緒な。二人でいこーぜ。あいつこういうの超乗り気になっちゃってめんどくさいタイプだから」
「そうですね。じゃあ、とりあえず…ガラガラガラ「ただいまアルー!あり?違う人の靴があるネ銀ちゃーん!新八ぃー!」

うわあああ帰ってきたああああ!

後悔しても後の祭りだ。どうしよう、バレると二人でアタフタする。

「あん?誰アルねおっさん…え?怪談?幽霊?」


もしかしたらこいつも女の子だし嫌がるかも…と二人はそんな期待をこめて神楽をみた。



「なにアルかそれ!ごっさ楽しそうアル!銀ちゃん私も絶対いくアルーー!」

やっぱりかぃぃぃ!
ーーこいつにふつーの女の子の反応を期待した俺がばかだったわ!

「ではお受けしてくださるのですね!ありがとうごぜぇますだ!あ、それと…」


嘆く銀時に、男からさらに追い打ちがかかる。


「事件の可能性があるとかで、警察の方もよんでますんで。たしか、、、


真選組…?でしたかな?」






「近藤さん、ほんとにあの仕事うけんのかよ」
「おう!もちろんだぞトシ!困ってる人を見逃せんだろう!」
「あんたはほんとに人がよすぎるな…俺みたいなクソボケ土方とは大違いだぞー」
「おい!てめーなに俺が言ったみたいに言ってんだ!総悟!…その手にもってんのはなんだ?」
「あー俺もさっきもらったんでみてねぇや。その依頼主からの手紙みたいでぃ、読み上げますぜ。




こたびは警護お受けくださりありがとうございます。そしてまた、協力者様のお名前をお伝えしておきます、ってなんでぃそりゃ。いらねぇよって……あり?」

「おい、どーした」
「ここ見てくだせぇ。


万事屋って書いてありますぜ」
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