銀魂

□1兎追うものは
1ページ/4ページ

「…まぁ、こういう訳なんだよ…。ってオイ万事屋聞いてんのか?」
「おー聞いてる聞いてる。それよりパフェほんとにおごってくれんの?多串くん」
「誰が多串だァァァァァ!ってやっぱ聞いてねぇだろぉがァ!」

1兎追うものは


銀時と土方は、とある茶屋にいた。いつもは顔をみればケンカが始まりそうな二人だが、(土方だけ)深刻そうな顔をしている。
事によると、土方が銀時を呼び出したらしい。

「んで?なんの様なんだお前」
「やっぱお前聞いてなかっただろ…!つまりなあ…」
土方の話によると、最近真選組一番隊長である沖田総悟の様子がおかしいらしい。なんでも、ニヤニヤニヤニヤして仕事がつとまらないとか。
「なに?なんなの?おたくの総一郎くんの事とうちと、なんの関係があるの?なに?いちゃもんなの?」
「嫌、ちげぇよ。いちゃもんでもなければ、総一郎でも…まあいい。ほら、お前のトコのチャイナ娘。あいつが関係してるんじゃないかとおもってな…」
確かに、沖田とチャイナ娘こと神楽は言わずとしれた犬猿の仲である。
「ザキによると、今日もあってるらしいんだよ。あのバカ…総悟が仕事をしねェのはいつものことだが、あまりにも度がすぎるとな…」
タバコをふかしながら、土方はぼやいた。犬猿の仲である、といいながら、沖田が神楽にうっすらと恋心を抱き始めているというのはわかっていた。でもなにもあんな
(じゃじゃ馬娘じゃなくてもいいだろ…)

「んで?神楽のせいだとして、いったいどうしてほしいの」
かってに土方の金でたのんだ抹茶パフェをつつきながら、銀時は聞いた。その言葉で土方はハッと我にかえる。
「あ、ああだからな。今日会うらしいんだが、そこにいって、実際お前んトコのチャイナ娘のせいなのか確かめようとおもってな」
「あ?なんで俺がそんなこと…。おたくの子がサボっていようとうちにはなんら関係な…」
そこまで言った所で、銀時は口を閉じた。土方の手には、しっかりと甘味処スルーパス拳が握られていた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ