黒魔女さん
□恋する二人の相合い傘
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「黒鳥、一緒に帰ろう!」
う・・・・・・麻倉くんと東海寺くん・・・・・・。
雨が降ってきたから、学校を出てさっさと帰ろうと思ってたのに、校門の前にはいつものあの二人が立っていて。
めんどうくささに、思わずため息がもれます。
「黒鳥!若い衆がベンツで迎えに来てるんだ。一緒に乗って帰ろうぜ!」
「・・・・・・いえ、怪しいサングラスに黒スーツの男の人が運転している車には、乗りたくないです」
すると麻倉くんはにっと笑って。
「でも黒鳥、傘持って来てないだろ?車に乗って帰れば、濡れて帰らずにすむんだぜ」
そうだよ、傘持って来てないよ。傘持って来てないから、早く帰ろうとしてたのに、二人に止められたんです!
なんか雨も、さっきより降ってきたみたいだし。
あたしがちょっとキレ気味でそう言い、東海寺くんの方を見ると、何故かにまにまと余裕ありげに笑っていた。
「なに笑ってるんですか、東海寺くん」
なにかありそう。
不信がるあたしの前に、東海寺くんは傘をつきだした。
「俺、今日傘持って来たんだ。一緒に入って帰ろうよ」
にっこり笑顔の東海寺くん。