☆短編☆
□詐欺デート
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朝、女子テニス部の朝練が終わり靴箱にやってきたこのみ。
上靴に履き替えようと靴箱を開けたとき、
ガチャ「ん…?なんだろ、この紙。」
上靴の上に二つ折りの紙切れが入っていた。
カサッ「えっと…(今日の昼休み屋上に来い。こなかったらプピーナ。)……………これ絶対仁王先輩からだ…。」
紙切れを開くとよくしる詐欺師先輩からであろう呼び出しの手紙。
「来なかったらプピーナってどういうことなの…まぁ後で面倒なことになりたくないし…仕方ないや。」
嫌な予感がしつつ、とりあえず昼休み屋上に行くことをしぶしぶ決め、ローファーを上靴に履き替える。
〜教室〜
「あ、このみー!おっす!」
教室につくと、幼なじみである切原赤也が元気にあいさつしてきた。
「おはよう赤也くん。今日は男テニ朝練なかったんだね。」
「まぁな!…ん?その紙切れなに?」
赤也は疑問に思い、このみの手に持っていた紙切れを指差す。
「え?…あ、あぁなんでもないよ!ちょっと今日の朝練の反省点メモっただけ!」
このみはそう言い紙切れをバッグに突っ込んだ。
「ふーん…そうか。」
赤也はあまり気にとめずそう言い、自分の席に戻った。
「ほっ…(赤也くんにバレたらぜってー行くな!なにされっかわかんねーぞ!とか言い出すに決まってるもん…)」
そう思いながらこのみも席に向かった。
〜昼休み〜
「ごめん、ちょっと約束あるから行ってくるね。」
「え?もしかしてまた告白の呼び出し?ほんとこのみってモテるよね〜」
「え?!違う違うよ!告白じゃないって!」
「じゃ、なんなわけ?」
「…そ、それは内緒!とにかく行ってくる!」
「あ!ちょっと!このみー?!」
「………ぜってーおかしい。」
幼なじみとその友人の会話を聞き、なにかあると思った赤也はこのみの後を追うことにした。