☆短編☆
□勉強会!
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七月上旬。青春学園では夏休み前にある期末テストにより部活動が停止になっていた。
勿論男子テニス部も例外ではなく、来週と迫ったテストのため各自テスト勉強に取り組んでいた。
「うーん…英語はあと単語を覚えればなんとかなるかな…やっぱ問題は数学だよなぁ。手塚君に後で教えてもらおっかな。」
手作りの単語帳を片手に廊下を歩く男子テニス部コーチの昴。
何事にも真面目に取り組む彼女は、勿論勉強もできる。
人柄だけでなくそのような所も周りから慕われる要素なのだろう。
ドドドドドドドドッ
「ん?……なんだ?」
誰かがこちらに向かってもうスピードで走ってくる足音に昴は顔をしかめて振りかえる。
「昴ーーーー!!!」
どーん!!! グキッ
「ぐぇっ!!!」
突然突進してきた菊丸英二にタックルをされ、カエルのような声がでる昴。
「お願い!勉強教えて!もう昴しか頼る人がいないんだよ〜〜!」
涙目になりながらスリスリと昴のお腹に頬ずりをする菊丸。
「いたたた…ちょ、いきなりどうしたんだよ菊丸君!」
タックルされた痛みに耐えながらもとりあえずなにがあったのかを聞く。