連載SS
□倦怠期
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それは恋人であるカカシがいつものようにナルトの部屋でくつろぎ、ナルトもまた自分の部屋なので気兼ねなく気軽な格好をしながら、巻物を読んでいた時だった。
来客を告げるチャイムの音が響く。
いつもと変わらぬ…ホッとさせ心温まる彼女の気配にナルトは笑みを携えながら、これまた気兼ねない仲間の訪問に気軽な格好のまま出迎えたのである。
「サクラちゃん!どうしたってば?」
「綱手様から明日の任務変更の伝言よ。…どうせ、カカシ先生も今、あんたと一緒にいるんでしょ?だから伝えといてくれる?」
「あは、あははっ!サクラちゃんには、何でも見透かされてるってばよッ!///////」
良かったら、上がってくってば?というナルトの誘いにバカップルのお邪魔する気は無いわと断りを入れたサクラは、ふとナルトの全身を食い入るように見始めた。
「…?サクラちゃん?」
「…ねぇ、ナルト?」
「サ…サクラちゃん?」
サクラの瞳が探るように、ナルトの瞳を見据える。
「あんた、まさか…カカシ先生と一緒にいる時も、そんな恰好でいつも過ごしてたりしてないわよね?」
「…へ?」
「どうなのよ?」
「っていうか、最初っからいつもこんな格好だったてばよ?」
ちなみにナルトの格好は少し大きめのタンクトップにトランクス1枚である。
「ちょッ!よく見たら、あんた…それ、下着じゃないッ!」
「……あ……」
「乙女になんてもん見せてんのよっ!しゃーんなろぉーッ!!!」
「違ッ!ちょっ!サ…サクラちゃんッ!…お!落ち着いて!」
こうやって―――
サクラの怒りの鉄拳がナルトに炸裂したのが、つい昨日の出来事である。
そして、次の日の任務待ち合わせの場所にて。
また遅刻し遅れるであろう元上司がいないことをしっかり確認したあと。
サクラはナルトに訊ねたのだ。
「…あんた、カカシ先生に…飽きられてたりしてない?」と。