OP小説
□温泉旅行
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12月
クリスマスを目前とした今日この頃。大学のサークル仲間で予定の無い者、つまり彼女のいない者たちで温泉に行くことになった。
「よお、トラファルガー。」
待ち合わせ場所についたローは、先についていたキッドに声をかけられた。
「はぁ‥‥‥‥。この時期に、こんなむさ苦しい男どもと温泉なんて‥‥‥‥。」
「会っていきなりため息つくなよ。むさ苦しくて悪かったな。だがよ、お前この間大学で連れてた女はなんだったんだよ。やたらひっついてたからお前の女だと思ったんたんが?」
「あぁ、あれは身体目当てのやつだったんだ。」
「へぇ、てめぇもそういうことやんのか」
「んなわけないだろ!捕まっちまったんだ!」
「で?どうだったんだ?」
「どうだったも何も、ホテルに連れ込まれそうになった時に逃げたよ。」
「なんだと!?あんないい女もったいねー」
「俺はそういうのは嫌なんだ。誰にでも身体をさらけ出すような女なんて、気持ち悪い以外の何者でもねぇ。」
「あのなぁ、そんなんじゃ男がすたるぜ。」
「そんなこと言ってるからユースタス屋は女から逃げられるんだ」
「なんだと!てめぇは男の本能ってもんを忘れちまったのか!?」
「はぁ‥‥‥‥。ユースタス屋は何もしなけりゃいい男だって看護学部のやつらが言ってたのに。(男だけど)」
「ほ、ほんとうか!?じゃあ、ちょっと控えめにしてみようかな‥‥‥‥。」
(単純かよ!?)
思わずツッコミをいれてしまったローだった。
「一体、どんな話をしているんだ‥‥‥‥。なんか、あそこに行くの嫌になってきたな。」
キラーが2人から少し離れたところで、様子を見ていると、キッドが気が付き手を振ってきた。
「おーい、キラー!こっちだ!」
あまりにも大きな声だったので、周りからの視線をひしひしと感じながらも、キラーはしぶしぶキッドのもとへいった。
(今日はマスクしていてよかった‥‥)
キラーがそう思っていたことは誰も知ることがなかった。