OP小説

□宝
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物資を調達し、島を出ると、ローはそこで偶然見つけた本を取り出した。それは、いつも読むような医学書ではなかったのだが、一目見ただけでなぜか興味を惹かれてしまったのだ。
(また、ペンギンにどやされるかもな‥‥‥‥。後で本の整理でもするか。)
そう思ったが、気を取り直してソファに座る。本を開いて読み始める。

どれくらい時間が経っただろうか、外はもう暗くなり始めていた。すると、部屋のドアが開いた。入ってきたのはペンギンだっ。
「おい、勝手に入ってくるな。ノックぐらいしろ。」
「何回もしました。でも返事がないから何かあったと思って入るのは普通じゃないですか。どうせ、あなたのことだから本に集中してたんでしょうけどね。はぁ‥‥また新しいの買って。」
とりあえず話が長くなるのはわかっていたから、ほとんどスルーする。毎回同じ話だ。何もできないから、周りを見回して見た。すると、自分の足元に紙が落ちているのに気がつき、拾い上げた。
「ちょっと船長、聞いてるんですか?このままじゃ船が沈むと言っているんです。‥‥‥‥なんですか、それ。」
「さぁな。」
そう言って開いてみる。そこに書いてあったのは、どこかの島の地図のようだった。
「おい、ペホを呼んでこい。」
「アイアイ、キャプテン!呼んだ?」
「「!?」」
「うん。だって夕方なのに2人ともご飯食べにこないんだもん。」
「そうか、もうそんな時間か。」
「それで、なに?」
「あぁ。この地図、どこかわかるか?」
「うん。この近くの島だよ。2、3日くらいでいけるよ。」
「そうか、じゃあこの島に進路を変えろ。」
「えっ?なんで?」
「おそらく、これは宝の地図だ。」
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