OP小説
□ある島で
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「あれ?トラ男がまだ来てないぞ?」
あたりを見回しながらルフィが言う。
「本当ね。まったく‥‥どこに行ったのかしら。」
ナミはため息をつく。遠くを見つめていたゾロが言う。
「おい、あれじゃねえか?」
ルフィがその方を見る。
「おっ本当だ!おーいトラ男‼︎」
☆☆☆
ローは今機嫌が良かった。今までずっと読みたかった本をやっと見つけたのだ。
(麦わら屋の船に戻ったらさっそく読もう。)
そう思いながら、もときた方に帰ろうとすると、目にあるものが飛び込んできた。
☆☆☆
「あれ?トラ男反対の方に行ったぞ?なにやってんだあいつ。」
ルフィが首を傾げながら言うと、
「でも彼、何かをみつけたみたいよ?」
ロビンが言うと、サンジが慌てて走って来た。
「おい、お前らやべぇぞ。海軍の軍艦がきている!」
それを聞いたナミは、
「なんですって⁉︎こんなところで捕まってられないわ。ルフィ、トラ男くんを連れ戻して!」
「よっしゃーまかせろ!」
☆☆☆
ローが見つけたのは、ふわふわしたシロクマのぬいぐるみだった。思わず、手にとって見る。すごく肌触りがいい。なんとなく触っていると、店員が出て来た。
「あら、お兄さん。彼女にプレゼントですか?」
「いや、買う気はなかったんだ。悪いな。それじゃ」
そう言って、船に帰ろうとすると、
「あっ、ちょっと待って。よければこれもらってくれない?」
振り返ると、
「この子ずっとここにあるから、そろそろ処分しようかなって思ってたの。これも何かの縁よ。ねっ?」
「そうか?なら、ありがたくいただく。」
そう言って、ぬいぐるみを受け取る。今日は何かと運がいい。だが、そろそろヤバイと思い、急いで帰ろうとすると、誰かに襟首をつかまれた。
(まずいな。賞金稼ぎならまだいいが、海軍だったらめんどうだな。)
そう思いながら振り返ると、誰もいなかった。かわりに見えたのは、
(腕?‥‥‥‥‥!)
この状況の意味に気がついたときにはもう遅かった。
☆☆☆
強く背中を打ち付けて、息が一瞬つまる。
「くっ‥‥」
気がつくと、ここはサニー号の上だった。まだ体が浮いているような感覚がして気持ち悪い。顔を上げると、麦わら屋の顔があった。
「おい、トラ男‼︎何をしてたんだ!海軍が来てたんだぞ!」
「すまないな、麦わら屋。だが、もう少し方法を考えてくれないか?」
麦わら屋の方を見ると、明らかに俺の方はみていない。麦わら屋が見ていたのはさっきもらったぬいぐるみだった。
「なんだこれ?」
「その店の店員にもらった。欲しいならやるが?」
「本当か!ありがとな、トラ男‼︎」
そういうと、部屋の中へかけていった。
「お、おい麦わら屋!俺の話を聞いていたのか!?」
慌てて言ったが、もういなくなっていた。
「はぁ‥‥‥」
思わずため息をついていると、
「あいつには何を言っても無駄だぜ。」
「ロロノア屋?」
「あんたがルフィに言いたくなる気持ちはよくわかる。俺も何回もされたからな。」
「そうだったのか。それは、俺よりも大変だな。」
「あぁ。元はと言えば、他の奴らが勝手に消えるからいけないんだ。まったく。」
《お前が迷子になってんだよ!(麦わらの一味)》
「まぁ、あいつは悪気があるわけじゃねぇ。」
「ふっ‥‥。それは、わかっている。」
すると、部屋のドアがあいた。
「おいおめぇら!早く上がってこい。おやつ作ってやったぞ!」
サンジはそう言うと、また部屋に戻って行った。
「黒足屋が呼んでいる。行こうか、ロロノア屋?」
end