君が照らしてくれた道

□仲間
1ページ/2ページ

お決まりの居酒屋に、お決まりのメンバーが集まる。
高校時代の同級生の気を許した仲間が7人。
卒業から10年経った今も、忙しい1人を除いて、毎週のように集まる仲間達。


「詩音今日も来れないって〜。」

「しょうがないよ。最近売れてきちゃって、すっかり芸能人だもん。」

「忙しいハズなのに、テレビでもいつも笑ってて疲れた顔一つ見せないで、スゴイよな。」

「でもなんか、遠い存在になっちゃうみたいで寂しいよね。」

「風間はたまに会ってんねやろ?」

「実家お向かいさんだもんね。」

「でも俺も詩音も実家には殆んど帰らないし、最近は会えてないよ。忙しそうで連絡もあんまり取れないし。」

「中丸、詩音に会えなくて残念だね。」

「べっ別に…」


そんな他愛もない話をいつものようにワイワイする7人。


そんな中、いつも物静かなめいが口を開いた。


「あのね、皆に報告があるの。」

「おぅ、どないしたん?」

「わたし…彼氏、できたんだ。」

めいの言葉に一瞬無言になる仲間達。

「そっか。よかったな。」

その沈黙を雄一が破る。

「どんな人なの?」

「え?うん。凄く…優しい人だよ。」

言葉に詰まるめい。

「今度紹介してよ〜!」

「えっ?うん…」


めいには、高校時代付き合っていた相手を亡くした過去がある。

それがトラウマとなりずっと恋人を作ることができなかった。

そんなめいからの彼氏ができたという報告。

突然のことに驚き詳しいことを何も聞けなかった他のメンバー。
ただめいが幸せならと心に閉まった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ