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□君の笑顔に
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ジャン→サシャ
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深夜――
ジャン(寒い....)
ジャンは、1人宿舎を出て外にいた。
今日はキース教官が、ウォール・シーナに急遽出張になり、座学以外は自習だったので、あまり体が疲れていなかった。
そのせいか、ベットに入ってもなかなか寝れなかったので、外の空気を吸いにきたのだ。
ジャン(じっとしてると風があたって寒いし、歩くか....)
ジャンは食堂の方へと向かった。
ジャン(ん?なんか....いい匂いがする...厨房か?)
ジャンは匂いのする厨房へと足を踏み入れた。
厨房の奥の方が明るい。
ジャンは足音をたてないように奥の方へ進んだ。
ジャン(にしても美味そうな匂いだな....誰がこんな時間に作ってんだ?)
ジャンは顔を押し出して厨房を覗いた。
ジャン「え...サシャ?」
サシャ「うわぁ!!な、なんだジャンですか....びっくりさせないでくださいよ....!」
ジャン「わりぃ....つーか、何作ってるんだ?」
サシャ「猪のお肉煮込みとサンドイッチです。明日、ユミルとクリスタと私の3人で遊びに行くので、お昼作ってたんです」
ジャン「そういうことか....(匂いの原因はこの猪のお肉煮込みか)」
サシャ「そういえば、どうしてジャンはここに?」
ジャン「ああ...なかなか寝付けなくてよ、散歩してたら良い匂いがしたからな」
サシャ「確かに今夜は寒いですしね...もしよければ一口どうですか?」
ジャン「え、いいのか?」
サシャ「もちろんです!身体もあったまると思いますよ」
ジャン「じゃあ、貰う...」
サシャ「どうぞ!はいあ〜ん・・・」
ジャン「」
サシャ「どうかしました?」
ジャン「い、いや....」
サシャ「もしかして、あんまりお肉好きじゃないんですか?」
ジャン「そ、そんなことねぇよ!肉は大好きだ....!」
サシャ「良かった!遠慮せずに...はいあ〜ん・・・」
ジャン(こいつ無意識だろ...)
ジャン「....い、いただきます」
パクッ
ジャン「―!!う、うめぇ!!」
サシャの食わせ方が恥ずかしかったが、これを食べた途端そんなのどうでもよくなった。
サシャ「本当ですか!?ッホ....それは良かったです」
ジャン(ただの馬鹿じゃないんだな...これだけ美味い料理作れるんだから、良いお嫁さんになれるのにな....黙ってれば可愛いのによ)
嬉しくて笑うサシャ。
不覚にもその笑顔に少しドキッとした。
ジャン「.....もう1ついいか?」
サシャ「これ以上は、明日の分なくなっちゃいますよw」
ジャン「ダメか?」
サシャ「うう....あ、じゃあ、今度ジャンだけに作ってあげますよ!」
ジャン「マジか....!」
サシャ「マジですよー!次の休みの時作りますね!」
ジャン「おう...楽しみにしてる」
サシャはお弁当箱に具を詰め始める。
ジャンもそれを手伝おうとした。
サシャ「私は大丈夫ですから。そろそろ戻らなきゃ、見回りの人に見つかりますよ?」
ジャン「お前も見つかったらヤバイだろ」
サシャ「私は許可取ったので大丈夫です」
ジャン「それでも....二人でやった方が早いだろ」
本当は、もう少しサシャと居たいと思っただけ。
サシャ「じゃあ、お願いします」ニコッ
ジャン(―ッ///)
ジャン(なんで、こいつの笑った顔見ると―)
ジャン「おう...」
ジャンが自分の気持ちに気づくのはいつになるのか、それは本人にしかわからないのである。
end.
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