short1

□春雪2
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※相変わらずのジャン視点
サシャ喋らないよ\(^^)/
春雪の続き。
ジャン→サシャ
・・・・・・・・・・・・・・・・・

サシャと空港で別れてから5年が経った。
でも、なんでだろうな....まだ、サシャと一緒に帰った時が昨日のように鮮明に覚えてる。
俺は四大を卒業して今年から、新社会人だ。
ごく普通の会社でサラリーマンをしてる。

サシャお前は今何してる?

それしか出てこなかった。
どんなに仕事に没頭しても、美人な女に想いを告げられてもサシャの事しか考えられなかった。

女「あのっ、私ジャンくんのことが好きです。もし良ければ付き合 ジャン「悪いが、付き合えない」

いつもみたいに他の女に言ってることと同じことを言った。
こいつもどうせ、泣いて去っていくんだろう....そう思ってた。

女「それは....好きな人がいるから?」

ジャン「ああ。そうだよ」

女「そう....噂で聞いたけどその人って今海外なんでしょ?」

ジャン「....」

女は沈黙を肯定と受け取った。

女「私じゃダメ?」

ジャン「は?」

女「一夜だけでも、身体を貸してあげる。私をその人だと思って抱いてよ」

ジャン「.....お前みたいな奴にあいつの代わりが務まるわけねぇだろ。馬鹿か」

女「な!失礼ね....!何よ、折角人が身体まで貸してあげるって言ってるのに最低」

女は、それだけ言うと去って行った。

ジャン「最低はてめぇだっつーの.....はぁ......」

サシャを空港で別れてから、彼女などできなかった。いや、告らたりしたが全部断った。

もし、サシャが戻ってきたら、またあの頃みたいに戻りたいなんて思ってる。
こんなのかっこ悪くて言えないけどよ....。
でも、本当にどうしようもうないくらいサシャが好きなんだ。

空港で別れた後、家に帰ってから情けないくらい数日毎晩声を押し殺して泣いてた。
女みたいに泣いて、辛いからサシャを忘れようともした。
でも、思い出しちまう....。

毎日、今サシャがどこで何してるか考えて....
大切な夢は掴めたのかとか....
心配なんて余計なことかもしんねぇな....

頼むから、サシャの中から俺を消したりしないでくれよな。
頭の中の片隅でも良いからよ。


サシャは覚えてるかわかんねぇけど、最後の弓道の試合で負けてすっげぇ泣いて、俺のYシャツベチョベチョにしたの。
でも、お前は次の日そんなこと忘れたかのように笑顔で登校してきて......
どんなことでも、俺にとっては大切な想い出なんだよ。

空港でサシャとした約束。
サシャが自分の店を出したら、俺が一番最初にケーキ買いに行ってやるって....

その約束果たすまで俺は何年でも待ってる。




お前と空港で別れて、7年....。
俺は25歳で、新卒で入った会社でサラリーマンをやってる。

なぁ、どんだけ待てばいいんだ?
いつからか、声を聞きたいのに、携帯に電話をかけても、メールを送っても何も返ってこない。

避けてるのか...?それすらわからない....


ある日、新しいケーキ屋が出来たと会社で同僚が話してた。

ジャン「なぁ?それ本当か?」

男「ああ。名前は確かサシャスイーツだっけな」

ジャン「!!!!それ、どこだ?!」

男「ちょ、いきなり肩掴むなよ!」

ジャン「あ、悪い....」

男「まぁ、いいけど。珍しいな、甘いもの苦手なお前が興味持つなんて」

ジャン「まぁな....で、どこなんだよ?」

男「確か.....」





ジャン「ここか.....」
仕事帰りに寄って見ると、もう店は閉まっていた。
腕時計を見ると、すでに9時を過ぎていた。

ジャン「明日来るか....」

俺は元来た道を歩いていくと、見覚えのある姿が前からこちらに向かって来ていた。

あのポニーテールに平均的に背の高い....あれは....

ジャン「サシャ!!」

大きい声で呼んだが、遠くて聞こえてないのか。
走ろうとしたとき、オレの足は止まっていた。

ジャン「男....?」

突然現れた男に、ジャンは戸惑いを隠せなかった。
前の二人は、腕を組んで歩いて来る。

俺の隣を遠すぎる時、顔を見るとそれは俺の知らないサシャだった。
俺といた時とじゃ違う、幸せそうな笑顔。

でも、なんでだろうな....
大人びたサシャは、とても綺麗で、元気そうな顔見れただけでいいなんて.....かっこつけて。

ジャン「っ........!」

声も掛けれずに、涙を堪えて、ただ離れてくサシャに小さく手を振ってみた。
気づくわけがないのに.....

ジャン「ありがとう。元気でな....」

俺がもっと前に想いを告げていたら、そこにいるのは俺だったのかもな.....いや、あれはサシャの為に告げなかった。
告げていたら、パティシエになれてなかったのかもしれない。
あの約束は、果たせそうにないかもな.....あんな顔見たら、俺辛くて会う勇気ねぇよ....。

俺は今までサシャの幸せを願ってきた。
いや、これからもか.....

俺はサシャが見えなくなるまで、見守っていた。
周りは動いているのに、俺は立ち尽くしていた。
そして、泣いてる....周りから見たらキモがられるだろう。


でも、本当にありがとう。心から。


サシャの背中が見えなくなる直前、俺はそう心から思った。

俺は、サシャが歩いてった方向とは逆を向いて、歩き出した。


元気でな。
また、逢う日まで.......


end.

the GazettEの【7月8日】という曲を題材にして書きました。切なくてごめんないさい。大好きな曲なので、どうしても書きたかった。
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