ながい夢

□あの夏のかおり
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「また遅れるとはたるんどる!!」


怒号に続いてゴツンと鈍い音がする。


「いってぇ〜!何するんすか副部長!」

お決まりの涙声も聞こえる。
朝から賑やかな部室じゃのーなんて呆れたような笑い声もする。
本当にいつも通りの朝…のハズなんだけど。


「菜々子、観念して入ってきたらどうだ?」


うぅ、参謀にはバレバレですか。
朝練前の部室のドアの前で一部始終を聞いていたけど、もう後にも先にも引けない。
恐る恐るノブを回す。


「お…おはようござ…」

「菜々子!マネージャーまで遅刻とは何事だ!たるんどるにも程があるぞ!」

やっぱり皇帝のカミナリ直撃!


「菜々子さん、少し髪が乱れていますよ。よかったらこれ使ってください。」

上品な櫛を渡される。
こんな時でもさすがジェントルマン。


「お前また遅刻かよい!?」

「そういえば転校初日も派手に遅刻してきたよな」


うるさいぞガムファイヤーダブルスめ。
それを眺めながらクスクスと笑う我が立海の神の子。
笑う度に肩に羽織ったジャージが少し揺れて。
カミナリはしばらく落ち続けたけどこの笑顔が見れたならいっか☆なんて思う私はかなり重症だと思う。

神様なんて手が届かないけれど。
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