おとなの夢

□Dessert after Dessert
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「これうまっ!並んだ甲斐ありすぎだろい♪」

「ホントだー☆2時間の苦労が報われるね!」


ここはブンちゃんのお部屋。
目の前には開店してすぐに売り切れてしまうので今までお目にかかれなかったフルーツタルト♪
今日は部活のない休日だったので二人で開店前から並んだのだ。
苦労して並んだとは言っても、ブンちゃんとずっと一緒だったから私は嬉しかったんだけどね。


「にしても、いざ買うってなった時お前他人のフリするからビックリしたぜい?」

「ごめんね〜★お一組様一台だったから、別人のフリしたら2台買えるかなぁって。」

「…ちょっと寂しかったんだぜい?」


少し口を尖らせて、ツンツンとフォークで苺をつつくブンちゃんがいじらしく見えた。
案外しっかりとお兄ちゃんをしている
彼は、意外にも子供っぽい行動をあまりしないからキュンとしてしまう。


「ホントにごめんね。ブンちゃんずっと楽しみにしてたケーキだったから、いっぱいあったら嬉しいかなと思って…。」


そう言うと彼は無言でタルトを食べ始めた。
桃やキウイ、バナナや木苺が次々と消えていく。
弟君達の分は切り分けて残してあるし、私は1ピースでいいからいいんだけど…。
あっという間にタルト(ホール)は消えてしまった。
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