みんなの夢
□冬ならではの王子様★
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「ねぇ幸村。ホントにおダシと野菜だけでいいの?」
「大丈夫だよ。みんなに材料は持ち寄るように伝えてあるから。」
2月某日の日曜日。
今日は私の家でレギュラー陣とお鍋です☆
どんな具材でも合うように寄せ鍋のおダシを準備しました!
白菜におネギに桜の形の人参がプカプカしておりますが、肝心の具材はみんなの到着を待つばかり。
ピーンポーン!
「あ!」
「フフ、みんな来たみたいだね。」
ドアを開けるとみんなが勢揃いしていた。
「さっみー!いち早くお邪魔するぜぃ☆」
「寒くて耳が痛いナリ。名無しさん、帰りは耳当て貸してくれんか?」
「名無しさん先輩の家って初めてッス!すっげー楽しみにしてたんスよ!」
「はしゃぐな赤也!今日は世話になる。」
「お邪魔します名無しさんさん。」
「これを後でご両親に渡してくれ。母から菓子折りを預かってな。」
「騒がしくして悪いな名無しさん。」
一気に騒がしくなる玄関。
みんなでこうして集まるのは久しぶりだから楽しみ!
「寒いから上がって上がって☆突き当たりの左がリビングだよ。」
「やぁみんな。いらっしゃい。」
「幸村君!言われたモノちゃんと持ってきたぜぃ!」
「…まるで部長の家みたいッスよね…。」
みんなの後ろから一番最後にダイニングに入る。
「名無しさん、あのテーブルの上の準備は何なのだ?」
険しい顔に腕組みをしている真田。
見回すと他のみんなも訝しげな顔をしている。
「え?幸村に準備しておくように言われたんだけど…。」
「フフフ、やっぱり寒い日は鍋だよね。みんな材料はちゃんと持ってきてくれたかな?」
肝試しの時みたく柳生がフリーズしている。
どうしたんだろう。ちゃんと連絡伝わってなかったのかな?
「あ、お肉とか豆腐とか最低限の材料はあるし買い出しに行けば…」
「違うぜよ名無しさん。持ってきたには持ってきたが鍋とは聞いとらん。」
「へ?」
「各自好きな食べ物を持ち寄ろうと言われてな…。」
「え?」
「さぁみんな!パーっと鍋に入れちゃってよ☆」
「無理ッスよ部長!だって俺の…」
「ん?何か言ったかい?赤也。」
Noと言える強者がいるハズもなく…。