儚い王女

□No.2 美少女と海賊
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ナ「なに、あんた!すっごい美形なのね!」



入浴後。

長い髪をドライヤーで乾かしながら、ナミが驚いた表情で話している。

少女は、鏡に映っている自分をみたが、美形とは思ったことはない。

意味がわかっていないのか、きょとんとした顔で首を傾げる様子は、ナミのストライクだったみたいで。



ナ「あぁ、可愛い。なんか妹が出来たみたいね。こうしてると」



よし、乾いたという声と同時に少女は後ろからナミに抱き締められた。

少したじろぐ様子を見て、ナミはふふと笑った。



ナ「それと、あとは服ね!人っていうのは第一印象が大事よ!と言っても海賊のあたしが言うもんじゃないわねー」



あはは、と笑ながらクローゼットをあさる彼女を見て少女はこれから起こることが安易に予想できてしまう。



ナ「この服着てね!あと、これ合わせるといいかも!」



ナミに渡された服を見て、少しほっとする。

過去自分が着用した服よりも露出は少ない。

しかし、事情がなければ、できるだけ肌を見せたくはない。

だが、ここに置いてもらえる身だ、と自分に言い聞かせると渡された服に腕を通した。



ナ「(ブレスレット、アンバランスだけど…いっか)」



彼女の手足についてあるブレスレットを見て、ナミはそう思った。





ナ「みんなぁ、お待たせぇ〜」


ル「ナミ、おっせぇぞ!」



風呂に入ってからかれこれ一時間が経っていた。

女の買い物や風呂の時間が異様に長いのは、男性船員にとって理解し難い。

そして、ナミはこの表情。

ニコニコ、いやニヤニヤと言ったほうが正しい。

口に手を当てながら、男性船員を見渡す。

しかも、なぜか扉の近くにいるだけで、部屋に入ろうとしない。



ゾ「なんなんだ、てめぇは!」


サ「笑ってるナミさん可愛いなぁ〜♡」


ロ「ナミ、どうしたの?」



流石に怪しいと思ったのか、ロビンまでもがナミを不思議がっている。

そして、ナミはその表情のまま、扉から部屋に入る。

船員達が思ったことは、ナミの後ろに隠れている1人の少女。



ル「……?」



ルフィには、隠れている意味がわからないみたいで、頭付近にハテナマークを浮かべている。

ナミは、少女を見て大丈夫よ、と笑った。

その瞬間、すごく顔の整った、少女がナミの陰から姿を現した。

少女の姿を見て、顔が赤くなる男性船員が何人もいる。

ゾロまでもが驚いた表現を隠さずにいる。

そして、目をハートにして口をあんぐり開けている船員もいる。(もちろん、サンジ)

短い丈のハーフパンツに胸だけ隠されたピンク色の水着のようなもの。

そして、極めつけは今まで露わにされていなかった顔が見えたことだ。

栗色の髪は、二つ結びにまとめられていて、顔がはっきりと見えていた。

その顔は、美少女という器に収まりきれないほどの美しさであった。





ル「おめぇ、誰だーーっ!?」





ルフィの声がサニー号に響く。

その声にびくっ、と体を揺らす少女。

その瞬間、



ナ・サ「「怖がらせてどうする!?」」



ナミの鉄の拳と、サンジの強烈な足技がルフィに向いたのである。



ウ「(でも…なんであんな服着てるのにあんなブレスレット着けてんだ?)」



ウソップが思ったものは、少女の手首、足首に着いてある縦のあるブレスレット。

男のウソップが見ても、アンバランスに見えた。



ウ「(うーん、女はわからん)」



とあまり気にしなかったのだった。
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