*Short
□初めての彼の家
1ページ/3ページ
ハルと付き合って、1年が経った。なのに未だに彼の家に行ったことがないなぁ。
そんなことを考えながら、授業を受けているとハルから手紙が回ってきた。
『今日の放課後ヒマ?』
『ヒマだけど、どしたの?』
『今日ウチに来ないか?』
あまりにも突然のことに驚いた。
以心伝心だったのかな?とか考えてニヤけてみたり。
いつも無口な彼。彼からのお誘いなんて激レアだ!
今日はなんかあるぞ!と期待を膨らませる。
もちろん返事は゛YES゛だ。
そして待ちに待った放課後。
いつものようにハルの隣を歩く。でも、いつもより心臓がうるさい…
いつもはこの階段のとこで分かれちゃうんだよね。でも今日は一緒に行けるんだ!そんな喜びを噛み締め、ルンルンで階段を登った。
「お邪魔しまーす!」
大きな声で挨拶して家に入る。
(なんか緊張するなー…)
付き合って1年経つけど、まだ私達はキスまでしか行ってない。でも、それだけ大事にされてるんだと思う。
そんな私は幸せものだ。
「座って待ってろ」
私は言われた通り座って待ってた。
でも、居間ではなくてハルの部屋のベットの上で。
何故かというと、ハルの家の中を探検していたらここにたどり着いたからだ。
ハルの部屋をジロジロ見回して待っていたらハルが来た。
しばらく2人でのんびり、まったり…。
でも、なんかハルはずっと考え込んでる。
「今日の夕飯、何の鯖にしようか悩んでるでしょ?」
「違う」
「じゃぁ、何考えてるの?」
そう聞いた瞬間、ハルに両手首を捕まれベットに押し倒された。
「どっ、どどどうしたのハル?」
平然を装ったつもりだったけど、声が裏返っちゃった。
そのままきれいで少し寂しそうな青い瞳に見つめられた。
顔が熱を帯びて真っ赤になってくのが自分でもわかる。
その顔は反則だよ!
私はこの顔にすごく弱い。
「夢?」
返事をする間もなく私の唇に彼のが重なった。
…………………。
えっ?ちょっ、ちょっと長くないですか?
解放された私は肩で息をしていた。
「夢、ごめん。もう抑えられない」
私は状況が掴めず、パニック状態。
「嫌なら、殴ってでも止めて」
すごく寂しそうな顔。
だから、それ反則だって!
とうとうこの時が来たか…。私は覚悟してハルを迎えることにした。
だってこれは私が望んでいたことなのだから。