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□君の背中
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なぁ、日向…。





中学の頃はお前の隣にはカントクと俺がいるのが当たり前だった。



けどいつのまにか日向の隣にはいつもカントクと木吉がいた



俺の居場所は何処にあるんだろう…。



日向がグレたのを元に戻したのは木吉、バスケ部を創って、日向をまたバスケの道に引っ張っていってくれたのだって木吉、俺が日向にしてやれた事なんて何一つない。
ただ、日向について行って…。俺は今まで、日向の隣を歩いてたんじゃない、後ろを歩いてたんだ…。
だから、日向と並んで歩いてる木吉が羨ましかった。

もちろん木吉が退院してくれて嬉しい、けど、木吉と日向はどんどん俺をおいて先へ進んでいってしまう気がした。


「伊月ー?帰らないの…?」

練習が終わり、ずっと考え込んでたせいか、少し気を使いながらコガが話しかけてきた。ちなみに日向は木吉とまだ残って練習している

「あー…今日は1人で帰るよ」

そう告げるとコガは不思議そうに尋ねてきた

「えっ日向と帰んないの?」

まぁ、疑問に思うよな。木吉が入院してるときは2人で帰ってたのだから。

「うん、日向は木吉とカントクとかと帰るだろうし」

そういうとコガが少し心配そうに

「俺と水戸部と帰る?」


と誘ってくれた、わざわざ気を使ってくれたんだろうけどそんな気分じゃなくて断った申し訳なくて何度か謝るとコガは、気にした様子もなく

「謝んないでよ!俺が勝手に誘っただけだし!あっ水戸部待ってるからもう行くね!!」

と言ってきたのでコガに心の中でお礼をしつつ

「そっか、ありがと。じゃあね」


と笑顔で手を振れば


「うんっ…伊月、あんまり無理するなよ?俺でよかったら水戸部と相談のるし!」

そう言われ少し涙が出そうになったが抑えて

「ありがとな、コガ。でも、大丈夫だからさ。」
と伝えるとコガは


「…そっか!じゃあバイバイ!」


何か感じたのかそう言って部室をでていった

俺もそろそろ帰らないとなぁと思い準備をしているとカントクが入ってきた…俺が着替えてたらどうしたんだ…まぁそういうの気にしないだろうけど…(汗

「伊月くん」

急に名前を呼ばれびっくりしたが落ち着いて言葉を返す

「ん?どうしたのカントク」

俺がそう言うとカントクは俺の目を真っ直ぐみてこう言った

「伊月くん、あなた日向くんの事で悩んでるでしょ?」

思わず息を呑んだ、そんなにバレやすい態度をとった覚えはない。だがあのカントクだ気づいてもおかしくはない。ここは素直に答えた方がいいだろう

「…まぁね、けど大したことじゃないから(苦笑い」

少しだけ誤魔化したように笑うとカントクは呆れたように言った

「あのねぇ、練習中もずっと日向くんの事みて辛そうな顔してたら誰だって気づくわよ」

え…そんなにわかりやすかっただろうか…。

「そんなに分かりやすかった!?」

「えぇ、こんなに分かりやすいのにそれに気づかない日向くんが鈍感すぎて殴りたいぐらいよ」

それはさすがにダメだろ!!と思いつつも鈍感なのは認める。

しばらく黙ってるとカントクがそれに、とまた話しだした

「伊達に2人の事、中学から見てないわよ」

そう言ってカントクは、ちょっと自慢気に笑った。

「あははっ確かにそうだねww」

カントクがいつもより少し可愛くて笑ってしまった。

カントクは俺が吹き出した事に驚いたのか恥ずかしそうに「なっ…なによ…!!//」と珍しくうろたえていた


伊月「…はぁ…もうどうしたらいいんだろ…」

伊月は窓の外のどこか遠くをみつめてつぶやいた。

リコ「伊月くん…」


ガチャ

日向「あ、カントクーこんなとこにいたのかよっ…って伊月!?まだいたのかっ??」

伊月「う…ん、まぁね」
部室に入ってきた日向からの言葉に伊月は顔をそむけながら辛そうに笑った。そんな伊月の姿にリコは胸が痛みみていられなかった。


リコ「日向くん、鉄平は?」

日向「あ?あいつなら外で待ってんぞ」

リコ「そう、じゃあ私は鉄平と帰るから伊月くんと日向くん2人で帰ってね、じゃっ」

言い終えるとカントクは手を軽く振りさっさと部室から出て行ってしまった。取り残された2人は気まずい感じになりはしたが、やはり中学の頃からの付き合いなので、伊月が「とりあえず、帰ろっか」と声をかけると日向も「あぁ」と賛同し歩き出した。

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