進撃の巨人

□#1
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薄暗い道

喧騒の絶えない路地

人が死んでいるゴミ捨て場

地獄のような日々から、ようやく





脱出できる―…




「サイリ フェルドリアだね?」

17歳の夏、私は訓練兵団にスカウトされた。


正直
外の世界にはこれっぽっちも興味はなかった。

でも、この暮らしがいくらか改善されるのであれば、それに越したことはない。


掃き溜めのような所に

掃き溜めのような毎日に


差し込んだ光。

「サイリ、君は格闘術、運動神経に長けていると聞いた。それに偽りはないか?」


私の家のドア――と言っても家自体はプレハブだ――を開けるなり

男はそう言った。



何を言ってるか分からなかった、が、

私はこれでも地下街を警備する人間だ。格闘には自信がある。



ので私は
「…はい」
と、素直に答えた。


「そうか。では…








訓練兵団に入団しないか?」



いや、言ってる意味が分からない。

いきなり押し掛けてスカウトってなんだよ。


心の中で言ってるつもりだったがダダ漏れだったらしい。
男は「申し訳ない」と言った。


男の名前は"エルヴィン"と言うらしい。
私は名字を覚えるのが嫌なため、名字は知らない。


普通にいい人そうだったし、地下に執着する理由も無かったため、エルヴィンに着いていくことにした。





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