小説

□120の愛の言葉
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ハンジが出て行ってから早くも二ヶ月が経った。
もう少しでエレンとお別れかなんて悩みながら
要望通り毎晩エレンと性行為をした。
しかし体に何かしらの負担をかけてはならないと自分に言い聞かせ、
リヴァイは複数回行うことはなかった。

エレンとの行為の後、トイレで抜く。これがもう当たり前になっていて、
最初の方に感じた罪悪感や虚しさは感じなくなっていた。

「兵長。」

「なんだ。」

「海に....行きませんか?」

「お前どうやって行くんだよ。」

「車椅子にでも乗せてください。」

もしも、もしも海で症状が悪化し、すぐ処置が出来なかったらと
リヴァイは恐怖を覚えた。

「エレン。病気が治ったら行こう自分の足で歩いて。」

「兵長が言うのならそれでもいいです。」

エレンはそういうと、笑顔を作って見せた。
しかし、笑顔とは反対に体の状態は悪くなる一方だ。
嘔吐する頻度は上がったし、時々意識を失っている。

「きっと....ハンジがなんとかしてくれる。」

「ええ.....」

その晩、リヴァイはいつも通りエレンの部屋に行き、
行為をする準備を始めようとした。

コンコンとノックし、部屋に入った。

「エレン入るぞ。」

「っ.....はい.....」

少しエレンの様子がおかしいことに気がついたリヴァイ。
ベッドの前で座り、覗き込むようにエレンを見た。

「どうした....エレン?」

「体が.....動かなくて.....」

「あ?左足とか動いてんじゃねえか。」

「右半身が.....」

エレンがいう右半身を見ると麻痺しているのかまったく動かない。
触れてみるとひんやり冷たい感触に身震いがした。

「ハンジ....ハンジ呼ばねえと....!!」

「兵長待ってください!」

「何言ってんだよ、さっさとハンジ呼ばねえとやばいだろ!」

「.....シてください。」

「!?」

この状況でなお性行為を望むエレン。しかしエレンに残された時間は短く、
限られているのだ。

「俺....明日死ぬかもしれないんです....なのに兵長の温もりを最後に感じれないまま
死ぬなんて嫌です!」

「エレン......」

「兵長....抱いてください」

エレンはシャツのボタンを上からゆっくり開けた。
最近見慣れたから違和感を感じなかったが、離れて見ると
以前戦いの前線にいた頃よりずっと細く痩せてしまったように
見えてリヴァイは涙をぐっと堪えた。

「ああ、」

エレンの肩に手を乗せ軽く引き寄せ口付けた。
最近頻繁に行為に及ぶためエレンも最初の頃よりは慣れてきたようだ。

「んっ.....んむ....あ.....」

キスをするだけで喘ぎ声をあげるエレンが愛らしくてたまらないリヴァイは
執拗にキスで攻める。

乳首にもキスをし、舌を這わせ、甘く噛み付く。

「んああ...!いや...あん....ん!」

乳首を刺激しつつ、エレンのズボンを脱がせ、ベッドの下に放り投げる。
エレンの下は完全に勃っていて、先端からいやらしい体液を出している。

「エレン。右半身が動かないのだろう?」

「んああ....はいぃ...ひゃあ!」

「じゃあこうするか。」

エレンを軽々と持ち上げ、向かい合うように自分の膝の上に乗せた。

「え!これじゃ兵長重いじゃないですか!おろしてください!」

気を使ってエレンが膝から降りようとするのをがっちり腰を掴み
防いだ。
エレンの先走りを指に絡め後ろに塗りたくり指を入れた。

「んやあああっ...んあっあん!....きも....ひいい...!」

エレンは大きな声で喘ぐといいところをリヴァイに引っかかれた。

「そこっ!いやああ!...あん...イク....!」

あっけなく達し、リヴァイの手のひらに欲をぶちまけそのままぐったりと
リヴァイにもたれかかった。

「おい今日はお前が煽ったんだ。これくらいで終われると思うなよ?」

そういうとエレンの体を持ち上げそのまま一気に自分のブツを挿入した。

「はげひいい!!いやあああイクう...ああああ!」

叫びに似たそれにはリヴァイを煽る物でしか無く、
またそれもエレンがよく知っていた。

「挿入しただけでいきやがってエロガキが。」

リヴァイはエレンの脇に手を入れ、直接エレンを上下の振った。
その際にリヴァイのブツは出たり入ったりするわけでエレンは高く喘ぐ。

「やだあああああ!!!あんああんんん!また...いっちゃああ!」

「んっ....く....いけばいいだろエロガキ!」

「やら、まらいきたくないよお!あんんんんああああ!」

「いい声でなくじゃねえか!」

リヴァイはある一点を力強く突いた。
そこはエレンが一番よく感じるところであると熟知していた。

「しょこ!しょこきもちいい!あんああんん!もっとおくうう!」

艶やかに妖艶にリヴァイ煽り、また快感を貪った。
しかし二人とも絶頂に近く、感度が増す。

「もっとおく!気持ちいい!!!もっとぐちゃぐちゃにエレンをおかひて..!!!」

「うっせえぞ...!!駄犬があ....!!!」

一際強く突くとエレンは射精し、イった。
その時後ろがきゅうと狭くなり、そこにリヴァイも欲を注いだ。

引き抜くと受け止めきれなかった欲がエレンから溢れる。

「エレン....愛してるぞ。」

「はいい....俺も愛ひてましゅ.....」

そう毎晩のお約束の愛の言葉を交わすとエレンは眠りについた。
そして片付けをしてリヴァイも自分のベッドで眠りについた。

その晩、リヴァイは夢を見た。
エレンの病気が完治し、二人で海にいる夢を。

「兵長、」

「なんだ。」

「さよならです。」

言っている意味がわからねえ?、てめえの病気は完治したんだろ!?

と叫ぼうとしたが声が出せなかった。
夢の中のエレンはとびきりの笑顔で消えて行った。

がばっと布団から飛び起きた。時計を見ると早朝2時。
胸騒ぎがしてすぐエレンの寝室に飛び込んだ。

ベッドを覗き込むとエレンが目を覚ました。

「.........」

「ああ、起こして悪かった。」

「..........」

「エレン?」

「兵長.....海に行きませんか?今から。」

「海に?」

「はい」

早朝2時から行くのも少々億劫だがエレンの頼みは断れない、
さっきの夢のこともあるのだから。

エレンを背負い、リヴァイは家を出た。
最近調べてわかったが今リヴァイ達が滞在している街の外れには海があるそうだ。
そこに行こう。

「エレン。お前は海にいったら何がしたい?」

小道を抜ける。

「エレン、病気が治ったら一緒に暮らさないか?」

活気のない街の中央。

「エレン、俺はお前と居られて幸せだったぞ。」

街外れについた。

「もう少しで海だからな。」

海が眼前に広がる。美しい朝日で思っていた青とはちょっと違うものの
美しい景色に自然と涙が出た。

「なあ、エレン。お前は幸せだったのか?」

瞳から溢れる涙を堪えようとはせず、ボロボロと頬を伝い落ちる。

「エレン....返事を.....しろよ....」

体を揺さぶるが返事はない。

「エレン....お前は幸せだったのか?巨人を駆逐する道具として使われ、
世界が平和になった途端病気になって。」

リヴァイは膝を砂浜についた。

「お前は...幸せだったのか?」

その場でエレンの亡骸を胸に抱き、リヴァイは泣いた。
波がいったりきたりしている中。

120回目の愛の言葉を。
愛してる。さようなら。
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