小説

□夜空の元
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吸血鬼。ヴァンパイアとも呼ばれる彼らは、人間の生き血を食事に生きている。
これは人間の勝手な解釈なのだろうが処女の血は美味いそうだ。
なんだかその気持ちがわからなくもないとふとした時に思った。

しかし、実際に会って確かめた訳でもないのに固定概念に囚われているのは人間のよくないところだし、自分の欠点でもある。
そんな非現実的な話しである。

俺はいつも通り学校へ行き、授業をうけ家に帰宅した。
仲のいい友人もあまり居ないし帰りに何処かへ寄り道など経験がないほどだ。

「ふわあああ....」

大きなあくびをして受験勉強をしていた机に突っ伏す。

今日はかなり疲れたな。
コンビニにでも行ってお菓子でも食うかな。たまには自分にご褒美もいいよな。

なんて考えながら机の上のノートを引き出しにしまった。

着ていたTシャツの上にパーカーを羽織り家を出た。

そとは予想以上に風が心地よく気持ちがいい。
風に擦り寄るように一度瞳を閉じ、これからの道筋を考える。

ここからコンビニまではおよそ徒歩10分くらいでつく近場にある。
そこは行きつけのコンビニだし、店員のおばちゃんとも仲がいい。

綺麗な満月の夜だった。タブレット型の最新携帯の画面をタッチするとぼんやりと自分の周りを照らしつつ、午前1時を表示していた。

なんだか携帯なんかよりも、夜空が見たくなり慣れた手つきで電源を切り、ポケットにしまった。

輝く満月に時折雲がかかり、その雲が満月色に変色し何とも表現し難い美しい空が広がっている。

不意にひゅっと満月を早い何かが横切った。
自分は目がいい方なので見間違える事は皆無に近いだろう。

驚いて思わず声を上げた。

「だっ.....だれ!?」

推測だが、横切った物が人間に近い形状に思えた。

「.............」

しゃべっては居ないが絶対そこにいるであろうという存在感が体を硬直させた。

「だっ......誰ですか?」

勇気を振り絞り、もう一度声を出す。
そうすると周りの木が風に吹かれざわざわと騒ぎ始めた。

足がガクガクと波打ち、自分がかなり緊張していることを強調しているようだ。
むせかえそうなほどの緊張の中相手は姿を現した。

男にしてはだいぶ小柄で黒髪に黒いコート。かなり童顔だがおそらく自分より年上であることは認識できた。

「......人にものを聞く時はてめえから言うものだろう」

低くも高くもない声が風に乗り耳を吹きくすぐったさを覚えた。

しかしもっともな事を言われてしまい少し悩んだ末に口を開いた。

「俺....エレンて言います。エレン・イェーガーです」

「ふむ、エレンか。」

手を顎に当て考えているようなそぶりをした。
それをまじまじと見ているといきなり自分の方に顔をあげた。
紺色の夜空のような瞳に吸い込まれそうな錯覚を覚え、頭がぐらついた。

するといきなりパーカーの胸ぐらを掴まれ地面に叩きつけられた。

肺から酸素が飛び出し不規則な呼吸に変わった。
叩きつけられた背中も痛む。

「いた....!何すんですか!!」

食らいつくように言おうとしたが、さらに追撃と言わんばかりに首筋に歯を立てられた。

「いっ....た.......!何....ふ.....あう....!」

痛みに少しの快感が入り混じりなんとも形容し難い気分になる。

頭の中がぼーっと霞んできた。
これは貧血になる前兆であろう現象だ。

ほぼ無意識に男の体を突き飛ばした。
男はそのまま尻餅をついた。

「あんたなに考えてんだ!」

「ふ.....あ..............っ......」

口の端から血を垂らしそれを舌で舐めとり
喘ぎ声に似たような声を時折出しつつ、恍惚感と言わんばかりにうっとりと頬を染めている姿に胸が高鳴った。

「なあ、あんた名前なんていうの?」

「ん....リヴァイ.......」

「リヴァイさん.....あんた吸血鬼だろ?」

「っは.....だったらなんだよ?」

気持ちのいい時間を邪魔したからか少し機嫌の悪そうな顔で睨まれた。

「だったら俺の血....もっと飲みたくてしょうがねえだろ?」

そう調子にのって言ってみた。
様子を伺うようにチラッと顔を除くとゾクゾクと体を震わせて物欲しそうな顔でこちらを見つめている。

リヴァイのごくりという喉の音を皮切りにその場で押し倒し馬乗りになった。

「あ....!てめ.....何しやがる!?」

「何言ってんですか?こんなにおっ勃てて.....やらしいんですね」

リヴァイの下半身をやわやわと撫でるとわかりやすい程ビクビクと体を震わせた。

「んあっ...!クソガキっ....あ.....!」

「クソガキじゃなくてエレンですよ。」

高そうなズボンを脱がし、路上に投げ捨てる。

「ひ...エレ......!」

「リヴァイさん怖がらないで、俺が優しくしますから......」

自分の指を咥え思い切り噛みついた。
指からは赤い鮮血が流れその血を見たリヴァイの下半身がさらに大きくなるのを感じた。

血が流れる指をリヴァイの口に突っ込みかき回しながら、下半身に触れた。

「ふうん....!あっ....んやあ....!!」

体がビクビクと震え、一際大きく震えると呆気なく達してしまった。
どうやら人間の体の構造と何ら変わりはないようだ。

「リヴァイさんもうイっちゃったんですか?」

「はー....はあー...うる....せえ....ん....」

手に放たれたリヴァイの精子を舐めとり一部をリヴァイの後ろにやり、それを助けとして指を押し込んだ。

「はっ!何してんだよ!?」

明らかに青ざめて大きい声を出した。
しかし押し広げることはやめない。

「自分だけイって....ずるいじゃないですか」

くちゅ..ぬぷ...じゅぷ....というやらしい水音で耳さえも犯される。

三本目の指がすんなり入るようになった頃にはもうグズグズにほぐれていた。
ブルブルと震えているリヴァイが首に手を回した。

「もっ.....いいから...!」

エレンのズボンに自ら手をかけ性器を取り出すリヴァイ。初めて見る積極的な態度だ。
催促をしているように急かす唇に口づけ舌を絡めながらゆっくりと挿入を始めた。

「ふうん....んああっ....いっ....!」

「はあはあ..んっ....痛くないですか?」

確かめるように声をかけながらゆっくりと押しいる。

全部入ると慣れるまで、と少しの間は動かない。
この時間がエレンにとって一番辛い時間である。
しかし、乱暴にする方のが何倍も辛いので解決策は結局考案されないのである。

「もう....うごけよお....んあ....クソガキ!」

しかし、求められた時は全くの別物である。
プツンとエレンの中で何かが弾けた気がした。
一度ギリギリまで引き抜き最奥まで一気に突いた。

「ああああ!んああっあんあ!」

一発でイってしまったリヴァイを見て自分はセックスの素質があるんだななんて頭の片隅でぼんやり考えた。

性急に突き上げ、何度も何度も深く濃く混ざりあい気がつけば自分は気を失っていた。

目が覚めると見慣れた自室の天井が目に入った。
ここが自分でベッドであることを物語っている。

「夢か.......」

独り言のようにボソッというと、背後から声をかけられた。

「夢じゃねえよ、童貞絶論野郎。」

「リヴァイさん!」

背後には昨日とはうってかわってワイシャツ一枚だけという何ともけしからん格好で椅子に座っているリヴァイさんがいた。

「絶論野郎は朝から元気そうだなあ?」

朝勃ちしている俺の下半身をみて皮肉たっぷりに言った。

「相手をしてくれるんだろう?」

ああ、あなたも俺に溺れてしまったように

きっと俺もあなたに溺れてしまったのだろう。

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