小説

□転生パロリヴァエレ2
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一日授業という授業はなく、一年間の行事だとか委員会だとか
眠気を誘う話をたらたら聞いて一日が終わった。

帰りに下駄箱の前でスマートフォンを弄りながら、アルミンとミカサを待っていた。
二人はクラスの学級委員候補に挙げられてしまってまだ教室に残っている。
このまま10分待って来なかったら帰ろうと自分の中で決め、
腕時計で時間を確認した。

「あと10分ね....」

「早く帰れ。」

ポツリとつぶやくと物凄い凶悪な目つきで俺を睨んでくる
一年徒会長リヴァイが話しかけてきた。

「うわあっ!....なんだよ....なんですか....」

ため口を敬語に直すと俺はビクビクしながら振り返った。

「下校時間はとうに過ぎている。帰れ。」

「ミカサとか...って言ってもわからねえか....友達が待ってるんですよ。」

「チッ.....アッカーマンの事か....」

ん?
なんでリヴァイはミカサの事知ってるんだ?アルミンから聞いたのか?

「リヴァイは....」

呼びつけで呼ぶと再び物凄い形相で睨んできたため、訂正しよう。

「リヴァイさんはなんで残ってるんですか?」

「俺は生徒会長だ。てめえらクソガキが帰ってからも仕事があんだよ」

クソガキ....俺たちの方が一応年上なんだけどな

「ぷっ、くすくす....そうなんですか」


生徒会での面倒な仕事を終わらせ豚教師共に提出する書類をまとめた俺は
職員室へ向かった。

玄関口を通った所に職員室はある。なんで生徒会室からこんなに遠いんだよと
愚痴をぶつぶつ零しながら廊下を歩いていると、
下駄箱の前でスマートフォンを弄っているエレンの姿を見つけた。
遠くから「エレン」と呼ぶと携帯にお熱なようで気がついていない。

前は俺が一言名前を呼ぶだけで犬みてえに尻尾ぶんぶん振ってやがったのに。
俺は少し苛立ちを覚えながら、ちょっとからかってやるつもりで
背後からドスの聞いた声で

「早く帰れ」

と言った。

「うわあっ!....なんだよ....なんですか....」

と驚いて振り返ってきた。
可愛い反応で悪くないが、敬語ではないというのがよろしくない。

「下校時間はとうに過ぎている。帰れ。」

「ミカサとか...って言ってもわからねえか....友達が待ってるんですよ。」

あのゴリラと一緒に居られるエレン達の精神を少し疑うな。

「チッ.....アッカーマンの事か....」

「リヴァイは....」

呼びつけ....ふん悪くない。

「リヴァイさんはなんで残ってるんですか?」

少しビクビクしながら訂正したエレンに少し疑問を覚えたがまあいいだろう。
ったく、俺が生徒会長になったのも覚えてねえのかよ。
眼中にねえってか。

「俺は生徒会長だ。てめえらクソガキが帰ってからも仕事があんだよ」

と少し嫌味を込めて吐き捨てた。
するとエレンは何がおかしかったのかクスリと笑った。

「ぷっ、くすくす....そうなんですか」

その笑った姿が前世のエレンに重なった。
俺はほとんど無意識にエレンの手首を掴み下駄箱に押し付け唇を奪った。

「ふっ....!!りあい....ふぁ.......!」

エレンのスマートフォンと俺の持っていた書類が落ちた音がしたが
もうそんなの関係ない。

俺は一度口を離し、酸素を吸い込もうとするエレンの空いた口に
舌をねじこんだ。

「んんっ....あ.....ふあ....」

舌を濃厚に絡め、エレンの喘ぎ声に酔いしれているといきなりエレンに
舌を噛まれた。口の中に鉄の味が広がった。
血の味に不快感を覚え唇をはなした。

エレンは今だに苦しいのか息をあげ、口の端から垂れていたよだれを拭った。

「なんで....こんなこと!?」

「エレン......」

夕日を背に泣きそうなエレンが見えた。

「あんた...最低だよ!」

エレンはそれだけ言い残すと素早くスマートフォンを拾い、鞄を背負って
逃げ去るように下校した。

「俺は....!エレン.....」

後ろから歩く音が聞こえる。
誰かきたみたいだが今の俺にはどうでもいいことだ。

「やっぱりあなたにエレンは守れない。」

「黙れ、アッカーマン。」

「あなたがエレンを殺した。」

「黙れと言っている。二度言わせるな。」

「今の私とあなたは上司と部下じゃない。命令するな。」

不愉快なゴリラだ。削ぎ落としてやろうか。

「上等だ、アッカーマン。」

「本当に愉快なチビだ。いつか報いをと思っていた。」

アッカーマンは鞄を下ろし腕を捲った。
その後ろにアルミン。

「おい、アルミンさっさと逃げろ死にてえのか。」

「リヴァイ....やめようよこんなことしても____」

「はーいストーーップ!」

アッカーマンを軽々と持ち上げたのはツナギ姿のハンジ。

「チッ、おいクソメガネその書類職員室出しとけ。」

「ほいほーい!」

ハンジは片手を額にあて敬礼した。それを無視して俺はさっさと家に帰った。

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