小説

□転生パロリヴァエレ
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キャラ設定*

エレン(16)男:高校二年:帰宅部(バイト)
父と母が小さい頃に他界。
そのショックで昔の記憶がない。
現在アパートで一人暮らし。
バイトして学校費用を賄っている。

ミカサ(16)女:高校二年:帰宅部
エレンとアルミンと幼馴染。
父と母は共に働いている。
小さい頃いじめっ子からエレンに助けてもらい、エレン厨に。
リヴァイさん嫌い。
アルミンを全力でサポートしている。

アルミン(16)女:高校二年:帰宅部
母子家庭。
幼馴染のエレンに片思い中。
小さい頃から頭がいいけど、エレンと同じ高校に行きたいが為に、
ワンランク学力が低い高校入った。
弟のリヴァイが恋敵。

リヴァイ(15)男:高校一年:生徒会
アルミンの弟。
成績優秀。
前世の記憶がありエレンにベタ惚れ。
アルミンがエレンに片思いしているのに気づいている。

ハンジ(15)女:高校一年:科学研究部
リヴァイの同級生。
前世の記憶があり、素直にリヴァイを
応援したいと思っているが、
いつも空回りで悪い結果へ
勉強面では優秀だが、頭は悪い。

一年生
ペトラ女:テニス部
オルオ男:帰宅部
エルド男:バスケ部
グンタ男:バスケ部
エルヴィン男:吹奏楽部:金持ち。

二年生
ジャン男:帰宅部
ライナー男:帰宅部
アニ女:帰宅部
ベルトルト男:帰宅部
コニー男:野球部
サシャ女:帰宅部
クリスタ女:美術部
ユミル女:バスケ部



では始まります。

俺は長い夢を見る。
とても辛く、長い夢を。
未知の生物に自分の仲間たちを食われる夢を。

どうして俺たちは奪われる?
夢を、命を、大切なものを。

やめてくれ、

「やめて....くれ...!」

勢い目を開けるといつも通りの洒落っ気のない古びた天井があった。

なんだ、またこの夢か。

と内心ホッとしたように体を起こす。
隣にはいつの間に居たのかお隣さんの幼馴染、ミカサがいた。

「うわっ...!....なんでここにいるんだよ。」

黒髪で美しい顔立ちの少女は幼い頃自分がくれてやったマフラーを大事そうに今だに身につけている。

「学校に遅刻してしまうと思ったから。今日は入学式。」

「だったら、声かけろよ...」

「エレン....泣いてるの?」

「え.....」

気がつけば俺の瞳からたくさんの涙が溢れていた。
慌ててそれを拭い、ミカサを睨む。

「あくびしただけだ!....さっさと行こうぜ....」

俺はミカサにも自分にもそう言い聞かせ布団から立ち上がった。


「理由もないのに涙が出るなんて....一度医者に見てもらった方がいいんじゃない?」

「うるせえなあ....誰にも言うなよ?俺が泣いてたって...」

「うん....」

いつも通り、二人でもう一人を迎えに行く、これが日課だ。
面倒と思うが、慣れてしまえばなんてことはない。

もう一人の家の前で彼女は待っていた。

「おはようエレン、ミカサ!」

アルミンという金髪が美しい小柄な少女。
彼女とミカサと俺は三人でいつも通りゲームやらクラス割の話をしながら学校へ向かった。

学校の正面玄関でクラス割りが貼られていた。
張り紙を見て落ち込む者や大喜びする者で賑わっている。

「エレン...エレンあった!」

「また一緒ね...エレン....」

「おう!よろしくな」

去年一緒だったミカサはまた俺と同じクラスになった。
去年、アルミンだけ一緒のクラスではなかったが今年は一緒のようだ。

「よかったあ!僕も二人と一緒だよ!」

「よかった!じゃあ、クラス行こうぜ」

大勢の人間をかきわけながら校舎に入り俺たちは二年生が始まる教室に向かった。


教室のドアを開けるといきなり元同じクラスの奴が話しかけてきた。

「女二人と仲良くご登校かよ?いい身分だな?エレン」

去年から俺に喧嘩吹っかけてきては、殴り合っていたジャンだ。

「俺が誰と一緒に来ようが関係ねえだろ」

「てめえのそういうところがムカつくんだよ。」

ジャンはエレンの胸元を掴み思い切り引き寄せた。

「やめろよ!服が破けちゃうだろ!?」

「はっ、こんな時も服の心配かよこの死に急ぎ野郎が!」

「はあ!?てめえっ」

「やめて、ジャン。行こうアルミンエレン。」

ミカサが仲裁に入りその場は何事もなかったようにおさまった。

「ちっ.....」

「エレン大丈夫?」

アルミンがおどおどと話しかけてきた。
エレンはヘラっと笑い、

「大丈夫大丈夫!慣れちったからな」

会話を遮るように担任になるであろう先生が入ってきて、
入学式を行うから体育館へ移動しろと指示をだす。
そして面倒くさい入学式が始まるのだ。

「___であるからして___」

校長の長ったらしい話を何とか乗り越え、入学生が入場してきた。

俺たちはしぶしぶ拍手を鳴らす。
入学生を見ると今だ幼さの抜けない可愛らしい顔立ちの少年少女が歩いている。
明らかに緊張しているし、会場の雰囲気にのまれている。

「なあなあ、アルミン。お前の弟入ってくるんだろ?どいつだ?」

「んーっとね....僕の弟はしばらくしたら説明しなくてもわかるよ...あはは....」

なんだかあまり心地の良い会話ではなかったらしく、早々と切り上げられてしまった。

入学生がすべて入場し終わり、用意されたパイプ椅子に座る。

「新生徒会長」

校長がマイクで行事項目を読み上げる。
新生徒会長と思われる少年がマイク片手に壇上にあがる。
生徒会長はそもそも三年生が務めるのが当たり前だが、少し小柄だなと疑問を覚えた。

少年は壇上に立つと堂々とマイクで話し始めた。

「俺は新入生のリヴァイだ。一年だが、今年は俺が生徒会長を務める。
俺が生徒会長になるからにはこの学校を素晴らしい学校にしてみせる。」

リヴァイと名乗った少年は前代未聞の一年生にして生徒会長になった。

「あはは....ね?あれが僕の弟....エレン?」

俺は気がついたらまた涙を流していた。

「あれ?なんだこれ....とまんね.....」

「それと、生徒会役職だが俺の方で勝手に決めさせてもらった。前に来い、」

俺が涙を流している間にも多少強引ではあるが行事項目が進んで行く。

「副会長ペトラ、書記グンタ、会計、オルオ、庶務、エルド。以上の4名が新生生徒会だ。」

場内はざわめき始めた。
波乱に終わった入学式だった。

「はあ....なんだよあれ....生徒会全部一年生じゃねえかよ」

俺は少しぼやきながら昼食を食べていた。
向かい側には申し訳なさそうなアルミン、その隣にミカサ。

「ごめんね、僕の弟が.....」

「アルミンのせいじゃない....エレンが勝手に怒ってるだけ。」

「はあ....つーかお前の弟かっこいいな!凄い目つき悪いけど。」

「うーん...誰に似ちゃったんだろうね....」

「絶対アルミンには似ていないものね」

新生徒会長リヴァイは学校に大きなインパクトを与えた。

「ははは」

確かにリヴァイとアルミンは似ても似つかない。
可愛らしい顔立ちのアルミンはと目つきの悪いリヴァイ。
だから誰にも姉弟とわかることはなかった。

ピンポーン

放送が流れ始めた。いつも通りの昼食の時に流れる音楽ではない。
「二年、エレン・イェーガァー。直ちに生徒会室へ来い。」

明らかに命令口調で放送が流れた。全校放送でいいのか?なんて呑気な事を考えていた。

「はっ!?俺?」

「そうみたい.....」

「あわわ....多分リヴァイ....だよ....」

「え?俺がなんで生徒会長様に呼び出されなきゃなんねえんだよ....」

俺はしぶしぶパンを咥え教室を後にした。

「エレン.....無事に帰ってくればいいんだけど.....」

「それってどういう......」


俺はなんで今話題の生徒会長に踏まれているんだ?
それは少し前に遡る。

俺は生徒会室に向かう途中に行儀悪くパンを咥えたまま一人の男にぶつかった。

そのぶつかった相手が噂の生徒会長で、
その小柄な体の何処にこんな力があるのだろうと
真面目に考えてしまうほどの力で持ち上げられ、生徒会室にぶち込まれた。

「いってえ.....なにすんだよ!」

生徒会長は仮にも年下なわけで、取り敢えずタメ口で怒鳴った。

「ああ?躾が足りねえようだな。エレン。」

「なんで名前知ってる...いたっ!」

そこで生徒会長に踏みつけられ今に至る。

「いたたたた.....!!!」

コンコンとドアをノックする音が聞こえた。

「ん?誰だ。」

ガラガラガラガラとドアが開き、
そこにいたのは中性的な顔立ちの女子が入ってきた。

「ファwwエレンwww躾wされてるwww」

なんでドイツもこいつも俺の名前知ってんだよ....

「なんで俺の名前知ってるんだよ!?」

「あ?」

「すいません。何で知ってるんですか?」

俺が疑問をぶつけると目の前で大笑いをしていた少女が一気に黙って俯いた。
なにがなんだがさっぱりわからない。まるで私達の事を知っているのが当然だ、と言わんばかりに。

「お前は.....!」

「リヴァイ!!」

リヴァイが何かを言おうとしたが、少女に言葉を遮られ我にかえった様にはっとする。

「悪い、ハンジ。」

「いえいえ、お構いなく。」

嫌味たっぷりに返事した少女の名前はハンジというらしい。

「俺のことはわからねえか?エレンよ」

なんだよこいつ。
年下のくせに俺を上からみやがって....

「アルミンの弟だろ.....それしか知らねえよ。」

俺が目をそらしながらいうとリヴァイは今にも泣きそうな顔をしていた。
なんだか重い事情がありそうだ.....

「.....じゃあ、エレン!もう教室戻っていいよ!ごめんね〜手前かけて!」

嫌に元気なハンジに起こされ、俺は生徒会室を後にした。

結局何だったのだろう?
死んだ父親と俺が似ていたとか?いやでもアルミンの親父さんはまだ居るし....

「ま、いいか」


「リヴァイ.....泣かないで。」

「泣いてねえよ、クソメガネ。」

「あはは、そうだね。君は泣いて居ない。」

「ああ、」

「..........」

エレンが出て行った生徒会室にまだリヴァイとハンジが居た。
リヴァイはその場に立ち尽くし、ハンジはリヴァイの背後の窓に身を乗り出していた。

「なんで....俺たちだけいつも.....」

「覚えているのだろう?....聞き飽きたよ。」

ハンジは真剣に言葉を紡いだ。

「私達だけ前世の記憶があり、なぜエレン達は記憶がないのか?」

「....エレン達じゃねぇ、アルミンとミカサは記憶があるらしい。
アルミンから聞いた。」

「ピンポイントにエレンだけか....これも巨人化の影響なのかねえ?」

「...........」

「誰にもわからない。二千年かあ〜長かったね。リヴァイ。」

「そうだな.....こんな平凡な日常も悪くねえが.....」

「人類最強もおわったね〜」

「黙れ、削ぐぞ。」

「ひゃあ〜駆逐されるう〜w」

ふざけた調子でハンジが生徒会室を出ていった。

そうだ俺は兵士だった。
人類最強なんて言われて奢っていたんだ。
その馬鹿みたいな過信で死に急ぎ野郎を本当に死に急そがせてしまった。

あの時、油断をしなかったら。

この後悔は何度悔やんでも悔やんでも悔やみきれねえ代物だった。
誰よりも大切にしていたつもりだったし、大切だったものなのに。

「人類最強も聞いてあきれる。」

大切な物一つ守れねえ。

なあ、あの時なぜ俺をかばった。


エレン。

「なんで俺は生徒会長に踏まれたり、罵声(?)浴びせられたり
しなきゃなんねーんだよ〜....」

教室に戻った頃には昼食の時間は終わり、清掃の時間になっていた。
俺の独り言を聞きつけ、ぱたぱたとアルミンが近づいてきた。

「ごめんねエレン、僕の弟が.....」

明らかに申し訳なさそうなアルミンを見たらこれ以上責める言葉が
出てこなくなる。

「いや、お前が謝る必要ないだろ....」

「そうよ、アルミンはいつも自分だけ背負いこむ.....」

「うん....ごめんね.....」

ミカサがアルミンに喝を入れる、これも見慣れた光景だ。

「んー....じゃあもうすぐ授業始まるだろうから席につこうぜ。」

俺の一言に軽く頷き、三人は席に着いた。

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